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無限の猿言葉-どけ。命名ってのはこうやるんだ

どけ。命名ってのはこうやるんだ

私の大好きな楽器であるベースだが、ベースの中にもいくつかの分類があり、それぞれに名前がついている。例をあげると以下のような具合だ。

・ウッドベース(コントラバス,ダブルベースとも)
・プレシジョンベース
・ジャズベース

上にあげた各種類は互いに排反である(ベン図に表した時に被りがない)が、これらが全てではない。

上の例であげた3種類のベースを見てなにか思うことはないだろうか。

そう。命名規則が終わってるのである。

「ウッドベース」は材質から命名されている。(が、そもそも上にあげたベースはどれも木製である。)

「コントラバス」,「ダブルベース」はともに「より低い,2倍ひくい」という具合に、それの音程の低さが命名に起因している。

「プレシジョンベース」は、それがフレッテッド楽器であり音程が正確なことから「正確な」という意味の形容詞を冠している。(しかしジャズベースもフレッテッド楽器であり、同様に正確に音程を奏でる。)

「ジャズベース」はそれがよく用いられた音楽ジャンルから名付けられている。(個人的にはジャンル感自体があまりしっくりこない。が、きっと命名された当時はジャズと言えばジャズベースだったのだろう。)

これは酷い。あまりにも命名規則がバラバラであるし、それぞれのベースに唯一無二の特徴を上手に抜き出せていない。

どけ。命名ってのはこうやるんだ

私がベースの分類方法を考えてみることにする。これから考えるのは上で挙げた3つの分け方だけでなく、私が知っているベースを体系的に全て分ける方法である。では始めていこう。

まずは「Bass」を「Faradaic Bass」と「Stringed Bass」に分ける。

faradaic は「電磁誘導の」という意味の形容詞であり、"ジャズベース"や"プレシジョンベース"などの、金属弦をコイルの上で振動させて交流を発生させて演奏する楽器を示すのに最適に思われる。

一方でstringed は「弦鳴の」といった訳が適切だろうか。こちらは上の対立概念で、弦で発生させた振動を聴衆に届ける楽器を示す。いわゆる"ウッドベース"である。

つぎに、「Faradaic Bass」をピックアップの形状から3種類に分ける。いわゆる"ジャズベース","プレシジョンベース","PJベース"の3つを命名し直す。おそらくピックアップの形を記号などに例えるのが分かりやすいだろう。

今回は、「Tilde Bass (~Bass)」,「Equal Bass (=Bass)」,「Tilde Ber Bass (~_Bass)」の3つとする。それぞれのベースの形状を知っている方ならしっくりくることだろう。

上から~ , = , ~_


ここで一つ気を付けなければならないのは、私は「Stringed Bass」のさらに細かい分類を知らないものの、この名称のまま採用しては「~Bass」などとレイヤーが揃わなくなってしまう。そのため、「Stringed Bass」はそのピックアップの形状(ピックアップは存在しない)から「Nul Bass (\0Bass)」の一種類に区別されることにする。

つまり、<ベースの種類>のレイヤーでは互いに排反である、「~ , = , ~_ , \0」の4種類に分けられるわけである。

これで概ね準備は整った。あとは追加情報の添え方を指定してあげれば完成だ。追加情報を2つだけあげる。

1つ目。ベースには弦の数が4本でないものも多い。なので弦の本数を明示するために「n弦」の表示を<ベースの種類>の前に置くこととする。

2つ目。「Faradaic Bass」にはさらに、「アクティブベース」と「パッシブベース」という分類がある。これらはベース本体に電源が積まれているか否かを区別する呼び方であるが、これらの<動力>の情報を添えるために<弦の本数>と<ベースの種類>の間に「Active」または「Passive」を置くこととする。

これで私流のベースの分け方が完成した。
メモで示したのが下画像だ。

個人的にはまあまあ満足のいく命名ができたかと思う。心残りがある部分としては、<ベースの種類>について、「\0Bass」だけ視覚上のメタファーではなく説明になってしまっている点だ。けっこう嫌な問題ではあるが、Nulを用いて少しオシャレにすることで誤魔化している。

ちなみに私が最近手に入れた新しいベースは、「4弦 Passive ~Bass」である。うむ。なんとも便利な命名がなされている。

是非皆さんにはこれから、星̑流のベース名を使っていただきたく思う。また、皆さんのオリジナル分類もぜひ教えていただきたい。今回も最後まで読んでいただきありがとう。

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