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noteの小説連載が書籍になります

みなさま、いつもお世話になっております、上田聡子(ほしちか)です。

いつも応援してくださる読者の皆様に、今日は大切なお知らせがございます。

2017年の秋にここnoteで連載し、皆様に温かいご感想をたくさんいただいた「洋食屋ななかまど物語」が、このたび金沢を舞台として「金沢 洋食屋ななかまど物語」として生まれ変わり、7月に書籍化発売の運びとなりました。

原稿用紙換算で100枚前後だったnote連載が、300枚越えのボリュームとなって、全国の本屋さんに並ぶことになります。版元はPHP文芸文庫さんです。単行本ではなく、はじめから文庫で出ます!

WEB書店でも予約が始まりました。Amazon、honto、楽天ブックス、HMV、紀伊国屋書店などから7/8発売です。(ほかのWEB書店も情報が出次第追加していきます)

ひとつ注意!ネット書店取り扱い日は7/8ですが、配送の関係で、全国の本屋さんには早いところは7/8、その他の本屋さんは7/9以降に並ぶそうです。確実に入手されるためには予約をおすすめします。


楽天ブックス



こちらは、note株式会社のクリエイター支援プログラムの一環として、書籍化となります。つきましては、note運営さんからのすすめもあり、PHP研究所さんにもご快諾いただけたので、元になったnoteのWEB版連載もずっと残すことに決めました。当時みなさんからいただいた多くの嬉しいコメントも、そのまま読めるようになっています。

WEB版はこちら。

あらすじはこんな感じです。

金沢にある洋食屋ななかまどの一人娘である千夏は、今日も大学生活のかたわら、店に立って注文聞きをしている。コックの父はよく千夏に言う。「お前がいい年になったら、コックの婿を迎えて、この店をお前にやろう」と。父のその気持ちは嬉しかったけど、千夏にはずっと前から好きなひとがいて――

メインとなる登場人物を三人、紹介します。

千夏:大学四年生の女の子。金沢にある実家の洋食屋を継ぐためにがんばっている。ちょっぴり気が強く、好きな人にも素直になれない性格。丹羽にずっと片思いをしている。

丹羽:千夏が働いているお店「洋食屋ななかまど」の常連客で、千夏とは別の大学に通っている院生。浮世絵の美人画が好きで、その方面の研究をしている。飄々としていて人懐っこい。

紺堂:コックである千夏の父に頼まれて、洋食屋ななかまどに千夏の「婿候補」としてやってきた、腕利きコック。熱く一途な性格で、千夏にも積極的にアプローチを仕掛ける。

このメインキャラ三人の恋心の機微をストーリーの軸として物語は展開していきます。

WEB版は「ちょっと強気な女の子と、ふわふわ、のらりくらりしている男の子の恋模様を書きたい」と、前から温めていたテーマが形になったときに、第1話を単発ものとして掲載しました。

そうしたら、読んでくださった方たちから「続きを読みたい、続きを書いて」という感想をコメントでたくさんいただき、急遽プロットをつくって、ほぼ毎日更新して、二週間経たないうちに最終話の第11回までを書き継ぎました。

WEB版、当時のコメントが本当にたくさん今でも読むことができて、このnoteという場のあたたかさや、多くの素敵な読み手さんがいることが大変うれしく思えたことを覚えています。

WEB版と文庫版(書籍版)は、同じ箇所もあるのですが、特に中盤から大きくストーリー展開の違いがありますので、ぜひ、読み比べて楽しんでいただけたらと思います。

ななかまど書籍化出版にあたって、WEB版を読んでくださったお友達5名から、推薦文をいただきました。みなさん本当にありがとうございます!!!


どうしても諦められない夢と、どうしても諦められない恋を抱えてしまったら。そして、その二つが、どうしても同時には叶えられないとしたら…?大切なものが増えれば、それだけ幸せも増えるはずなのに、切なさばかりが募っていく、そのもどかしさ。洋食屋ななかまどのメニューのように、「甘い」や「すっぱい」だけじゃない、夢と恋の味わいを、丁寧に煮込むように作られた作品!(T.Sさん:丹羽派)
「ななかまど」、ついに書籍化来ました!!!嬉しい!!優しい文体にキュンとする恋愛模様、いつまでも色褪せないドラマを観ている気分になれるので大好きな作品です。実家を継ごうと一筋に頑張る千夏と、飄々としながらも温かい眼差しの丹羽。仕事にも恋にも誠実な紺堂も加わっての三角関係は必須です!物語の合間に出てくる料理も美味しそうで、ご飯小説としてもおすすめです!洋食屋さんに行きたくなります!絶対に(笑)皆さんも「ななかまど」を堪能して下さい!!(匿名希望さん:紺堂派)
好きな人への想いと、将来の夢。どちらを取るべきか悩む人は、きっとこの世界のどこにでもいる。だからこそ私は、彼女たちの人生に共感し、この物語を愛したくなりました。
おすすめの登場人物は、美人画好きの大学院生、丹羽さん。とても大人びて見えるのに、ふわふわと放っておけなかったり、ライバルには棘を向けたり。彼の心の奥が知りたくて、読んでいる間はちなっちゃんと一緒に振り回されっぱなしでした。金沢の町並みと彼、とても絵になります。
もしかしたら本当にあるのかもしれない。美味しく、温かく、特に切ない『ななかまど』のデリバリーを、どうか皆さんも――。(S.Kさん:丹羽派)
恋は甘くて甘くない。ままならない苦さ、涙のしょっぱさに満ちている。
「洋食屋ななかまど物語」は、きっと誰もが一度は味わったことがある、みずみずしい想いがあふれた作品です。
恋には痛みがつきものだとはいえ、とはいえ!
あーもーじれったい、もどかしい、もう切なすぎてつらい……でも気になっちゃう。
主人公・千夏のそんな恋のゆくえを、ぜひ一緒に見守ってください。
私のイチオシ登場人物は実直と不器用を絵に描いたようなイケメン・紺堂さん。まっすぐすぎるその情熱と飾らない人柄に、ぐいっと惹かれちゃう人もきっと多いはずです。
ああっ、両手にメインディッシュなんて、ちょっと贅沢すぎない? ちなっちゃん!(笹塚 心琴さん:紺堂派)
注文されたお料理は、まっすぐ届けた方がいい。夢だって、やりたい事だって、できれば思い描いた通りに進みたい。でも、人生はそういうわけにもいかず。最短コースで夢を叶えようとしていた千夏の年相応の女の子らしい心の揺れ。曲がり角が多い道を歩いて行くと、やがて見晴らしの良いまっすぐ伸びた一本道が見えてくる。その時、千夏の隣にいるのは?季節の風を感じられるおいしいお話、めしあがれ。(もかろーる♪さん:丹羽派)



おもしろい現象がありまして。読んでくださった方の感想を詳しく聞いていくと、丹羽派か紺堂派か、きれいに分かれるのですよね。

推薦文をいただいたお友達5名(全員女性)のうち、丹羽派が3名、紺堂派が2名で、やや丹羽が優勢かと思いきや…

担当編集者さん(男性)「私は紺堂推しです!」

てな感じで(笑)

つまりは、ななかまどはダブルヒーローものなんです。千夏と一緒に、読者の方も、どちらに心が動いて揺れるのか、見守りながら読んでくださると嬉しいです!!!

加筆修正するにあたって、私の大好きな街である、金沢の魅力的な観光地を、物語のいたるところに盛り込みました。

私は能登地方出身ですが、金沢も七年住んだことがあって、古都の魅力や美味しい食べ物にしっかり心を掴まれています。

そんな金沢の素敵なところと、一途な恋心をめいっぱい詰め込んだストーリー、楽しみにしていただけると幸いです!


恐縮ですが、私自身の話もさせてください。私は、子どものころからずっと小説の出版が夢だったのですが、10代のときも、20代のときも、ずっと小説を満足に書くことができませんでした。

三行書いては捨て、を繰り返す、情けない書き手で、そのことに忸怩たる思いを抱いていました。

2014年7月。私は20代の終わり近くになっていました。当時の職場である図書館で働きながら、ぽつぽつ習作を書いていたら、ある人から「noteというクリエイターの創作サイトができたから、やってみれば」とアドバイスをいただきました。

それで、当時リリースされて数ヵ月余りだった、noteに登録しました。何を書いたらいいかわからなかったので、1000字程度のショートストーリーを書くことから始めました。

ショートストーリーを更新するたびに、優しい読み手さんからコメントをいただきました。嬉しくなってどんどん数を増やしました。

(当時のたくさんたまったショートストーリーはマガジン「言の葉の四季」にまとめてあります。よろしかったら、お楽しみください)

noteに書くと必ず誰かがコメントをくれて、嬉しくなった私は、少しずつ書くものの長さを伸ばしていきました。10枚、30枚、50枚とちょっとずつ作品の枚数が増えていきました。

それでも、なかなか100枚の壁を越えられずにいた私ですが、2017年に「洋食屋ななかまど物語」を書き始めて、応援されながら更新しているうちに、気が付いたら、100枚書けていて、自分でもとても驚きました。

2019年6月、私のところに連絡があり、PHP文芸の編集者さんから「洋食屋ななかまど物語」を書籍化したいという夢のようなお話をいただくことになりました。

8月、編集者さんが私の住む富山に来てくださって、打ち合わせしました。

「洋食屋ななかまど物語を、金沢を舞台に書き直してほしい。それと、100枚では分量が足りないから、2倍か3倍の長さにしてほしい」

その2点が、向こうからの要望でした。

それで、9月からプロットを立て、プロットが仕上がると半年かけて新しい物語「金沢 洋食屋ななかまど物語」を300枚超の長さで書き下ろしました。

まだまだ未熟な点はあるとは思います。けれど、自分の最大限の力を振り絞って書き上げた作品になりました。

2019年の夏から、2020年の夏まで、noteの小説更新が少なかったのですが、実は裏でこういうことをやっていたためでした(笑)


ここまで読んでくださったらわかるように、おそらく、私はnoteという場がなかったら、こんな風に作品を書けるようになることも、書籍化として本を世に送り出せることも、きっとなかったのではないかと思います。

noteという土壌の、みんなが作り出す温かい雰囲気や、運営さんのたゆまぬ努力によって、本当にここで6年も楽しく創作を続けることができました。

noteのお仲間さんたち、noteの運営さんたち、そして本を出版してくださるPHP研究所さんには本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

本当にありがとうございます。そしてnoteの街でこれからもどうぞ仲良くしてください。

今後とも、何卒よろしくお願いいたします。




最後に、こちらも宣伝させてください。

2020年の春は、コロナ禍が急拡大し、外出自粛となり、都会のメインの大型本屋さんが軒並み休業となりました。また、地方の開けていた本屋さんも、大変な思いをして本を売ってくださっており、本当に感謝せねばと思っております。

本屋さんが開いていてこその小説販売ですので、コロナの中、本屋さんが閉まっていたり、買い物に行きづらかったりという苦しさは、多くの作家さん、出版社各社、書店員さんが味わったと思います。

自粛解除がだんだん行われてきましたので、私がnoteで行っておりました、2020年春刊作家さん応援のために書いたnoteを貼らせていただきます。

3月刊~5月刊の作家さん、応援してあげてください。新刊発売の日に書店が閉まっていて、大打撃を受けている小説も多くあります。

私自身の本もできれば応援していただきたいのですが、この厳しい状況に直面した、春刊の作家さんからお気に入りの何冊かを見つけてほしくて、思い切ってリストを作成しました。

本を探すお役に立てたらと思っております。

Twitterのほうで栗原ちひろ先生が4月刊応援の旗を振り、それに連動して3月刊5月刊も一緒にたくさんの方が応援しています。


上記ツイート内のハッシュタグも稼働してますので、購入したよ!や本の感想をハッシュタグつけてつぶやくと、作者の先生に届きやすいかも?

これからも、幼い頃から大好きだった小説を愛していきたいです。

note公式からもリリースを出していただきました。本当にありがとうございます!



それでは7月8日発売「金沢 洋食屋ななかまど物語」をどうぞよろしくお願いいたします!!!(繰り返しますが、全国の本屋さんの多くでは配送の関係で7/9以降に並びます)

私のデビュー作になりますので、多くの方と素敵なご縁をいただけたらと、祈願しております。また、コロナの影響は7月までつづくと思われますので、どうぞみなさん書店やWEBを使って無理のない方法で本を入手いただきますようお願いいたします。

WEB書店では今、Amazonとhontoと楽天ブックスとHMVと紀伊国屋書店が、予約が始まっている感じなのでリンクを貼っておきます。ほかのWEB書店でも、予約が始まり次第この記事に追加していくので、よろしくお願いいたします(*^^*)


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上田聡子
いつも温かい応援をありがとうございます。記事がお気に召したらサポートいただけますと大変嬉しいです。いただいたサポ―トで資料本やほしかった本を買わせていただきます。