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手巻き寿司の思い出

私の実家は海の近くなので、おいしいお刺身がスーパーに並んでいて、誕生日とか、お祭りとか、そんな特別な日に、父がたくさんお刺身を買ってきて、よく家族で手巻き寿司を食べた。

宴会部長の名で通る父はおでんや餃子など、人にふるまうのが好きだが、そんな父の用意する手巻き寿司は、とても豪華だった。

パーティー用の回転プレートに盛りつけた刺身は、十種類以上あり、いくらやまぐろなどの、高い魚介も、手巻き寿司の日には並んだ。

「2、3千円出すだけで、こんなに寿司が食べれるのなら、いいやろう」と父はよく言っていた。

手巻き寿司を食べると、子ども時代を思い出す。

明日は夫の誕生日なので、久しぶりに私も、手巻き寿司を用意した。もちろん父の手巻き寿司ほど豪華ではないけれど、とても美味しい。

明日は二人とも仕事がフルタイムでお祝いできないので、二人そろって休みの今日に特別メニューを並べることにしたのだった。

家族で囲む手巻きは、幸せの味がする。

ケーキを買い忘れてしまってごめんと言いながら、二人でたくさん食べた。


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