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上田聡子
2019年7月16日 22:42
石川支社に配属になって最初に目星をつけた、新規営業先の老舗酒屋のおやっさんは俺のことをいたく気に入ってくれて、うちの会社の新作ビールを入荷してくれると約束してくれた。何度も頭を下げながら「ありがとうございまっす!」と大声で挨拶すると、おやっさんは感心したように言った。「兄ちゃん、声もはきはきしてるし、体も大きいし、ずいぶんと爽やかだねえ。野球部でも入ってたのかい」俺は、苦笑いしながら、正直