イチロー「プレッシャーは克服できない」

「平常心でプレーすることなどできない、ということを受け入れていることだと思います。平常心でいられない自分を受け入れて、そこに立ち続けること。たくさんの人がそこから逃げようとするのを見てきましたし、その気持ちも分かります。でも、それでは前に進めないのです。常にリラックスした状態の自分ではなければ結果が出せないということでは、続けることはできません。だから普通の自分じゃない、つまり平常心でいられなくても逃げずに立ち向かう自分がいる、それは重要なポイントだと思います。どんなときでも心に芽生えてしまった重圧を背負ってそこに立つこと・・・・・・これが僕の才能なのかもしれません」

イチロー・インタビューズ 激闘の軌跡 2000-2019

これは、イチロー・インタビューズ 激闘の軌跡 2000-2019という本で、イチロー選手が”自分の才能とは何か?”と聞かれたときに答えた内容です。

あのイチロー選手ですら、結局のところ、プレッシャーや恐怖心、不安などは克服できないということだと思います。

天才などと言われるイチロー選手も、何度も何度も、調子がふるわなくなったり、プレッシャーを強く感じることがあったようです。

イチロー選手と言えば、飛躍した話ですが、毎日カレーを食べるのような同じようなルーティーンをして”普通”を保つことへのストイックな印象がありますが、そのイチロー選手ですら、プレッシャーや不安は消し去ることはできないし、克服できないのでしょう。

そこで僕は思うわけです。
「イチロー選手ですらプレッシャーや不安を感じるのに、一般人の僕たちがプレッシャーや不安、消し去れるわけないよね。」
開き直ってるわけではありません。事実を受け入れているのです。

僕たちは不安やプレッシャーからなるべく逃げて感じたくない!嫌だ!と思っている節が多いかと思います。

世の中でも、不安やプレッシャーを消すために色々な事が言われています。例えば、紙に書き出しましょう。毎日瞑想しましょう。運動しましょう。とか。

たしかに自分も実践して素晴らしいことだとは思いますが、だからといって”不安やプレッシャーは消えない”。だからこそ逃げてはいけないのだと思います。
イチロー選手が言うように逃げずに立ち向かう。それこそが人生において重要な事なんじゃないかなと思います。

重要なプレゼン、離婚、転職、人生の決断、など、こんな時に不安やプレッシャーを感じない人がいると思いますか。
そんな人がいるとしたら投げやりになっているか真剣でないだけだと思います。真剣に向かっていくのなら不安やプレッシャーは感じて当然です。

でも、そんな時に、逃げずに立ち向かっていく、そして自分が感じる不安やプレッシャーを受け入れる。それこそが人生の重要な事、成長していくことなんだと思います。

イチロー選手が口にする「人としての厚み」という意味は、こういったことを経験していく、逃げずに立ち向かっていく、ということも含まれているのでしょう。
何か不安やプレッシャーに押しつぶされてダメになってしまうのではないかと思った時は、イチロー選手のことを思い出してみてください。

打席に立つ、後ろ姿を想像するだけで勇気がもらえませんか?
これこそがイチロー選手が積み上げてきた”人としての厚み”、魅力なのかもしれません。

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