15歳の私へ

私は今年成人式を迎えた。
成人式を迎えたからといって特に生活は変わらないし、気持ちの変化もない。
式の日はただ単に振袖を着て、久々に会う人達と思い出話を繰り広げる時間となった。

そんな一生に一度しかない日に私はある一通の手紙を中学校でお世話になった先生方から受け取った。
それは15歳、当時中学3年生だった私が20歳の私に向けて書いた手紙だった。

20歳の私へ

元気にしていますか。今私は卒業前の受験生です。
仲間(3-7)と一緒にダンスの練習をし終わって5時間目です。私は、どんな大人になっていますか。大学に入っていますか。医学部に入って医者を目指していると思います。(気持ちは変わってないはず。)
もし入っていたら、医学の勉強をがんばってください。私は、高校受験をひかえていますが、20歳の私は、その高校に行けてよかったと思えているでしょうか。もし、思えていなかったらゴメンなさい。
中学のときの仲間は、今いますか。みんなで笑って仲が良い元3-7のままですか。私は、この3-7で卒業をむかえることができてよかったです。この仲間と卒業できてよかったです。3-7でよかったです。だから、ずっと感謝しています。もし、3-7のメンバーがいるのなら「ありがとう」って伝えてください。
私が思い浮かべる未来は医者になっている自分です。医者になってたくさんの人を助けてください。
20歳の自分、ガンバレ！！

P.S. LDHへの愛はそのままですか？

この手紙を書いたことは覚えていた。
ある日突然紙を渡されて、20歳の自分へ手紙を書きなさいと言われたのだ。そして、成人式の日に返却しに行くから、と。
だからそこまで驚くものでもなかったし、何となく書いた内容も分かっていた。それでもなんだか読むのが恥ずかしくて、家に帰ってから夜に1人で開封し、1人で静かに読んだ。
書いてあったことはほとんど予想通りだった。
でも、なんだか私は黙っていられなかった。

だから今日ここに15歳の私へ返事を書こうと思う。

---

15歳の私へ

20歳の私はとても元気にしてますよ。
今私は大学2年生の春休み中で、あと1ヶ月もしないうちに大学3年生になるらしい。
今の世の中は、あなたが生きていた頃には想像もしなかったような状況になっています。みんながマスクをして、消毒を欠かさず行って、そんなことが当たり前になって外に出るのも大変な状況です。でも、もうこんな生活になって2年も経つんだよね。

さっきも言ったけれど、私は無事大学に入れました。だけど、残念ながら医学部ではありません。今の私は歯学部生として日々頑張っています。

その頃の私はきっと医学部しか見えていなかったと思う。医学部に行くことが全ての目標で、私の人生の最終目標である「医者として人を助ける」ということを叶えるための第1歩だった。だから、歯学部に入ったと知った私はこう考えるんじゃないかな。「医学部に行けなくて歯学部か…」って。そう必ず考えるだろうからきっちり訂正しておきます。私は自分から望んでこの道を選びました。今から過ごす高校3年間であなたは色んなことを学びます。そして、色んな道を見ることになります。その中で私は、歯科医師という道の方が私に合ってると思ったんだよ。だから、この道を選んだ。その証拠に私はこの道を選んだことを1度も後悔してません。

だけど、やっぱり少しだけ謝っておく。夢、叶えられなくてごめんなさい。私が信じてきた道を違う道に書き換えてごめんなさい。少なくとも中学3年間はずっとこの道だけをみて歩んでたと思うから。こんなこと聞いたら中学3年間を全部否定されたみたいに聞こえてもおかしくないよね。だけど、その3年間で医学部に行くために頑張ってきたことは全部これから役立つ時が来ます。あの頃、普通なら褒められる点数に「それじゃあダメだな」って悔しい言葉を言われ続けたことも、普通なら褒められてもおかしくない順位に「まだまだだな」って言われたことも、全部高校3年間の私と今の私を支えているから。だから、どうか気に病まないで、もう少しの間だけ自分を信じて頑張って欲しいです。

高校についてだけど、私は心の底からあの高校に行ってよかったと思ってます。私はこれからすごく最高な3年間を過ごすことになるからそこに関しては全く心配はいりません。まあでも、20年間の中で1番苦しい時期にも遭遇するから気をつけて。楽しいことはもちろん沢山あったけど、辛いことも沢山あったからさ。だけど、あなたの周りにはまた新たに一生大切にしたいと思える仲間が沢山できるから、その人たちに沢山頼れば大丈夫です。

受験を控えてるってことは、面談も終わったかな？あの面談は史上最高に泣いたよね(笑)まあだって、第1希望の高校が無理って言われただけでなく、第2希望まで無理って言われて、本当に私の人生全部終わったと思ったもんね。その頃の私は、1番賢い高校に行くことしか自分の人生を全うできる道はないって本気で思ってたから、そう言われてそう思うのも無理はないんだけど。まあこんなところだから言っちゃうけどさ、あなたはちゃんと2番目に賢い高校には受かってるし、それでも人生終わってないから大丈夫。そのまま頑張ってください。

3-7のみんなは相変わらずで、すごい仲良いよ。あいつもあの子も、今でもたまに連絡とってるし、会うこともあるよ。同窓会もどのクラスよりも人数集まっちゃってさ、やっぱり7組の団結力って最強だと思った。まあでも、3-7の他にもあなたはこれから色んな人に出会って、長い付き合いをすることになるやつが沢山現れるから、その人たちとも仲良くしてね。特に3-1のやつらは大切にしてください。

確かに、その頃思い浮かべた未来は医者として働く私一択だろうな。本当にそれしか頭になかったからね。でもさ、案外世界って広いし、十何年間信じてきたその世界よりも自分が合ってる世界も実は他にあったりするんだよ。だから、今の私は歯科医師になって少しでも多くの人の笑顔を取り戻したいと思ってる。そのために頑張るね。

これから、また辛いことに立ち向かわなきゃ行けない時が来ます。高校受験と比にならないくらい辛い大学受験がやってくるし、それ以外も悩まなきゃ行けないことが沢山出てくると思う。だけど、どうか最後まで自分を信じてあげてね。これから進む高校3年間は私にとって本当に大切な3年間になるから。

それと最後に、一つだけ人生の先輩からアドバイスしてあげる。世界は0と100だけじゃないよ。60や70でいい時も沢山あるから。あの頃の私は、100が全てだったし、それ以外は価値なんてないと思ってた。正直、こんなアドバイスをしといて今の私もそれを捨てきれたわけじゃない。未だに、あの頃擦り込まれた100しか許されない精神は拭いきれないままでずっと残ってる。だけど、やっぱり100だけを見てちゃ苦しすぎてやってらんない時沢山あるから。だから、もう少し余裕持つためにも60や70の価値も認めてあげられるようになって欲しいな。難しいことだけど、私も頑張る。

15歳の私よ。とりあえず健康に気をつけて高校受験を失敗しないようにしろよ！！

P.S.

未だにLDHが大好きなオタク女だよ！
そこに関してはもう何も心配いりません！

それに、その頃の私には想像できないくらいKPOPにもハマってるし、これこそ信じられないだろうけど、2次元にどハマりして毎日アニメ見てる。ちなみに、今は2次元に彼氏いる。(これ本気)

まあそんな感じでオタクライフは超満足に超ハッピーに過ごしてるから大丈夫！
どれだけ時が進んでも私の世界一は登坂様だよ♡

20歳の私より