「バニラのにおいがするタイニーな女の子には勝てない」の文体に勝てない

文章力のあるひと。それはどんな人だろう?

私はブロガーである。有益な情報を提供して広告でお金を頂いたり、実際に商品を購入してもらうための誘導ページを用意したりする。人によっては私をアフィカスと呼ぶ。

そんなことはどうでもいいのだが、いわゆる商業ブロガーとして大切な文章力は詩人的な文章ではない。どちらかというと論理的で読みやすく、何か気づきを与えられるような文章が正解とされる。

しかしこれも、いずれAIにとって変わられる可能性が否定出来ないので、文体というものを育てていかなければならないのだろう。文体には人の個性が出るからだ。もちろん「稼げる文章力」をつけることも大切なのだが、星野良輔の文章を読みたいと言われるようなものを書けるようになりたい。そう考えると詩人的な?小説的な?人の心を感動させるような文章がかけると良いなと思う。

aikoの初期に『二時頃』という曲がある。

この曲は歌詞も最高なんだが、とくに終盤、aikoが本命の女の存在に気づくところ、

本当は受話器の隣
深い寝息をたててる
バニラのにおいがする
タイニーな女の子がいたなんて


ここが最高である。たしかに、「バニラのにおいがするタイニーな女の子」には勝てない。

ものすごく説得力がある。だって普通、人間の身体からバニラのにおいなんてしない。汗の臭い、脂の臭い、酒の臭い、せいぜいが香水の臭いである。そのうえタイニーだ。背が低いのだ。おそらく華奢だ。肌は白い。そしていつもバニラのにおいがしている。

私は人生で一度もバニラのにおいがするタイニーな女の子に出会ったことがない。そう考えると私の人生などろくでもないものに思えてくる。一度くらいバニラのにおいがするタイニーな女の子に出会いたかった。

「〇〇のにおいがする〇〇な女の子」というフォーマットを考えた時、「あたしが思いを寄せる人の本命の女」としてベストなのは、やはり「バニラ・タイニー」である。

さすがはaiko、こういうところは的確にピシッと決める。最強の女の子はバニラのにおいがするタイニーな女の子なのだという説を私は提唱していきたい。最強の動物はアフリカゾウ、最強の昆虫はスズメバチ、最強の女の子はバニラのにおいがするタイニーな女の子だ。

引用:バニラのにおいがするタイニーな女の子には勝てない

正直、この文体には勝てる気がしねぇと思った。何だこのふざけた文章を詩人的に書いた感じ。タイトルは「バニラのにおいがするタイニーな女の子には勝てない」

は?何言ってんだこの人?おかしいんじゃないの?と思うかもしれない。しかしこれを自分の世界観を丸出しで、読者になるほどねぇ。そんな風に考えるのねぇ。と思わせるように書いていた。

ちなみに、aikoの二時頃という曲。何故か私は持っていたので聞いてみた。素敵な曲だった。彼とaikoの言う、バニラのにおいがするタイニーな女の子には勝てないがヒシヒシと伝わってくる世界観でとってもよかった。

心がきゅーっと締め付けられるような、感覚を覚えた。人の文章とaikoの曲で。上から言わせてもらえば、よく分析できていると思った。

そう、これだ。多分こんな文章を書きたいんだ俺も。

日常でフッと湧いて消えるようなくだらない感情を世間なぞ無視して独自の世界観を持って語る。かっこいいなぁ。

ブログだとどうしてもPVを気にしてしまうから、noteでポエミーな文章を書くのはありなのかもしれない。

文章を書くのは大好きだけど、ポエミーな物は苦手だ。どうしても堅苦しかったり論理的な文章になりがち。

でも、憧れるんだ。真顔日記さんのような情感あふれる文章。

サポートより、SNSでシェアしてもらったほうが嬉しいです!ww