はじめまして。


 ロックバンドが好きだった。でもギターを持って歌おうとは思わなかった。映画を見るのが好きだった。でもカメラを持って撮ろうとは思わなかった。なにかやらねば、でもなにか違う。なにかに憧れることができるのも才能だ。屁理屈やモヤモヤを胸に溜めたままひとりで動けずにいたら10代は終わった。

 今年で20歳になり、大学生になった。春には上京し、念願の一人暮らし。ミニシアターにも夏フェスにも人生で初めて行った。テレビ越しに見ていた新宿や池袋は良く行く見知った街へと変化した。漠然と憧れていた文化たちに触れたことで満たされた気分だったし、頭を埋めていたモヤモヤも晴れた気がした。
 しかし、半年も経てば環境の変化には慣れる。漫然と大学へ行き、映画を見て、音楽を聴く生活。これでいいのだろうか?何かやらねばならないのでは?という思いが再び立ち込めてきた。

 まだ二十歳、されど二十歳。20年という時間は何かを開花させるには十分な気がする。
 自分に勇気を与えてくれるアイドルも、歌手も同年代が増えた。10代からストイックに鍛錬を重ね、活躍している。というか年下も珍しくない。そこまで特別な人々でなくとも、大学で周りを見渡せば、部活に精を出した人、友達と話した人、勉強に励んだ人、恋愛をしてきた人。みな当たり前のようにこれまでの人生の中で肌身で何かを経験しているように見えた。

 自分はどうだろうか?ただポップカルチャーを消費し、寝転んで悶々と考え事をしてきただけだ。とにかく経験がない。表現のツールもない。楽器も弾けない、踊れるわけでも、特段面白いわけでもない。人と話すのも得意ではない。でもなにかやらねばという焦りはある。

 そこで、PC一つで完結できる、一般的な国語力はある、という理由から文章を書いてみようと思い立った。別にこれが特別何かに繋がるかといえばそうではないだろうし、ここまで述べてきたのも恥ずかしくて青臭い現状の自分だ。(こういった文章は本当は得意ではない)。芸能人でもないのに、お前のお気持ちなど知るか、という思いもある。がまあ、とりあえずの自己表現のツールとして、なにかの備忘録として残しておければいいかなと。好きなことやら、モヤモヤやらの置き場にしていきたい。

 ただ趣味をひとつ増やすためだけにこれだけの字数を使ってしまったことに恥ずかしさがある。明日の朝見たら顔から火が出るだろう。というか、はじめましてのあいさつにしてはあまりに長い。とりあえずよろしくお願いします。

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