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日建学院と総合資格、結局どっちがいいの?

一級建築士の取得を目指す上で多くの人が日建学院もしくは総合資格に通うことを検討するだろう。実際東北支店に配属された同期4人中それぞれの資格学校に2人ずつ通っていた。今回は私が日建に通ってみて感じたこと、同期から聞いた総合資格のことをメインに、結局どちらの資格学校がいいのかをまとめた。

結論、お金と時間が潤沢にあるのなら総合資格。それなりの金額で、それなりのサポートを受ければいいのであれば日建学院に通うのが効率的だと思う。

まず分かってほしいは、日建学院の学費が圧倒的に安いこと。2021年に申し込みをした私は、日建学院に100万円、内訳にして学科80万、製図20万のお支払いをした。一方、総合資格のストレート必勝コース(学科と製図がセットになっているコース)に申し込んだ同期は、約130万かかったと言っていた。

100万と130万は元から額が大きいこともなり、そこまで差を感じられないかもしれない。しかし、実際の費用差は30万ではなく90万くらいあるのではないだろうか。というのも、日建学院は臨時も含む全ての講座がその100万円で受講可能なのに対して、総合資格は事あるごとにさらに課金しないと受けられない臨時講座を開催するのだ。

臨時講座は一応参加するかどうか自由、という建前にはなっている。しかし、「昨年合格された受験生のうちほとんどの方がこの臨時講座を受講されていますよ」など、受験生の心理的不安につけ込み、申し込みをさせていると聞いた。こう言った臨時の講座は受講料が10万円かかる。その講座を受けたら大抵合格するのであれば、最初からその講座の分の費用も含めた金額で提示するべきなのではないか?このことから、総合資格は受験者の合格以上にお金を重視しているように思う。

営利企業であるからには、お金を儲けなくてはいけないことは私もわかる。しかし、通常授業のクラスで臨時講座に申し込まなかった一個人の名前を挙げて、「〇〇さんは申し込みませんでした。これを受けないと合格できませんからね」と全員の前であげつらうと聞いて同情の気持ちも木っ端微塵に無くなった。

また、総合資格は宿題が多い。同期で一緒に勉強している時に総合資格通いの同期がどっさりした量のプリント、小冊子と格闘していた。日建学院は最初に配られた教材以外の配布物は基本は各回の小テストのみだった。講義内容が全て終わった直前期になって、やっと配布物が増え出していた。

初めの頃こそ、たくさんの量をこなすことで成績が引き離される、と内心びくびくしていた。たが、試験が終わってから思い返すと、日建学院は必要な部分を網羅し、余計なことはさせていなかった点で、効率良く勉強できたと思う。一級建築士試験は必ず新出の枝が用意されるが、予想が難しい新出にこだわる必要はないと個人的には考える。受験者がみんな解ける問題を自分も落とさないとこが1番重要だ。この点、日建学院の宿題量は適切だった。

日建学院の最大の特徴は、学科の講義は映像授業が中心であることだ。講師のレベルによらず、高レベルの授業を全員が平等に受けられることがメリットだが、やはり慣れるまではあまり内容が頭に入ってこなかった。一応週に1回は生身の先生が短時間ではあるが講義してくれる。そのタイミングで分からない部分を質問できる。たが、私が以前池袋校で道路制限に関する質問をした時、先生がしどろもどろで全く答えてくれなかったことを覚えている。全体的な講師のレベルは、総合資格より圧倒的に低いのだろう

また、日建学院では製図の講座に進むと、対面授業となる。盛岡校では15.6人の受講生に対して、講師が2人ついてくれていた。数字だけ見ると結構手厚いと思う。しかし実態は教室は活気がなく、私以外質問をしている受講生もいなかった。これは多分映像授業で培われた負の流れだ。映像授業ではもちろん私語厳禁なので、授業とは黙って聞いているもの、と受講生は骨の髄まで染み込んでしまっていた。

必要な分の範囲だけ与えてもらあれば良い人、自分なりの勉強方法が確立できている人は、日建学院で十分だ。お金が掃いて捨てるほどあり、膨大な勉強時間を確保できる人は総合資格でとこ細かに勉強すればいい。これが私の結論である。

最後に、日建学院の学科講座にそれなりに満足した私から、日建学院にひとつだけ提案がある。法規で対面、もしくはリアルタイムの授業を組み込めないのか。前の記事でも触れた通り、自分自身ゴールデンウィークあたりまで法規はぼろぼろだった。点数を引き上げてくれたのは日建学院の講義ではなく、会社が提携していた総合資格の講座だった。1日みっちり法規を勉強する講座を、1週間に1、2回のペースで5回ほど開催してくれた。

その講義の中で特に有効だと感じたのは、短期集中で全体を網羅的に勉強できたことと、法令集の重要法文だけではあるが、講師と一緒に読んだことである。自分一人で勉強していると、案外法文を読み飛ばしていたり、誤った理解をしていることがわかった。また、講師と一緒に読むことで癖のある法文の理解の仕方を学べた。

法規が得点源として大切であることは日建学院からも散々言われていた。しかし日建は、早期の映像授業を見ることしか対策をしておらず、これでは足りない。ゴールデンウィークあたりに集中講座を開設し、リモートでもいいから、リアルタイムに参加させ、法規を一から叩き入れることをした方が良い。

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