13年越しに「初めまして」した友人の話

学生の頃にフランス語の勉強を始めた。
折角なら、フランス人の友人が欲しいと思ってJapan Guideという日本が好きな外国人と文通やメールのやり取りをする人を募集するサイトに書き込んでみた。
何人かフランス人の文通相手・メール相手は出来たが自然と消滅していく中、1人だけ今もゆるく繋がりを保っている友人がいた。
文通していた頃は丁度彼はグランゼコールに進学するための準備クラスというものに通っていて、私は日々アルバイトなどで忙しく自然と文通は途絶えてしまった。
TwitterやFaceBook、Instagramは繋がっていたので数年に一度「元気〜？」などと連絡する程度の仲。

昨年の7月末に友人から「バカンスで日本へ2週間行く」と連絡が来て、日本に来るのは知っていたが、その時は会うとは思っていなかった。
金曜に日本に到着した連絡を受けて、どこに滞在しているか聞いたところ週明けまで東京にいて、その後は関西へ行くと言っていたので、折角来てくれたしと思い、食事に誘ってみた。

フランス語は昔は真面目にやっていたが、今はもう殆ど忘れてしまっていて話せる自信は全くないし、私は英語も出来ない。

渋谷で待ち合わせをし、初めて対面した。顔写真の交換は10年以上前からしていたので知っていたが、いざ初めて対面した時はちょっと驚いた。
折角なら日本らしいものをと思い、マークシティ付近にある焼肉屋（よくよく考えたら韓国料理なのに何でその時は気づかなかったんだろうw）で食事。

お互い、フランス語と日本語はゆるく勉強していた感じなので基本会話は簡単なフランス語と日本語、それに英語で何とかなった。
ただ話が盛り上がったとは言えない。
友人の仕事、自分の仕事の話やバカンスで日本滞在中に何をするかという話をして、食事を終えて解散した。

普段、何となく街中で目にするフランス語や耳にするフランス語は理解出来るもののネイティブとの会話となると全く駄目だったことに愕然として、再び勉強する気持ちになった。

翌々週にまた友人から連絡が来た。
「今週の木曜にフランスに帰るから月曜から水曜のどこかで飲みに行かない？」
勿論、二つ返事で承諾して行った。
日本酒は飲んだことがないという話だったので、日本酒の飲み比べが出来るお店に行った。

関西旅行の話を聞いたが、友人はとんでもない経験をしていた。
滋賀の琵琶湖から京都駅まで歩いたらしい。8月に。（※昨年の話です）
比叡山を歩いていたときに、車道を歩いていたようでバスに追い抜かれた時にたくさんの日本人に変な目で見られた。多分酷暑の中、歩いてるのは自分だけだったからだろう。と言っていた。
熱中症にならなくてよかったけど、よくそんなにもすごい距離を歩く気になったねと言ったら、フランス人は歩くのが大好きなんだよw（皮肉）と言われて笑ってしまった。
比叡山を歩いている最中に滑落して、迷ってしまったけど山を登ってたら延暦寺に何とかついて安心した。その後に京都まで歩いた。と言っていたが、「滑落」というワードが強すぎて驚いた。
私は比叡山には延暦寺があるくらいしか知らないが、普通の人が山の中で真夏に滑落したら死ぬのでは？？？と思ったが、友人は軍人である。
聞いたところによると訓練で山だの海だのは慣れているらしい。だから京都まで辿り着けたんだなあと思った。

そんな話をしながら日本酒を辛口・中口・甘口で飲み比べたり、和食を試してみてもらったりして楽しく食事して解散した。

友人はその後、帰国したが、そこからまた文通が再会した。
時たま、週末の暇な時にビデオ通話をしてフランス語を教えてもらったり日本語を教えたり仕事の話などをしている。

また今年の5月から私は新しい職場で働いているが、3月末〜4月末までの有休消化期間中に3/27〜4/6までフランスに遊びに行き、友人の実家にお世話になったりした。

今も週に1〜2度くらいはInstagramでDMが来て近況を話す仲だ。

13年もゆるゆると繋がっていて、会うことはないだろうなあと思っていただけに今もこうして関わりがある事に驚いている。
私は友達に恵まれてと普段から思っているのだけど、改めて友人と連絡を取り合うようになって、やっぱり恵まれてるなあなんてぼんやり思ったりした。

フランス語はまだ全然話せない。けど、言葉は人を繋ぐ道具なのでゆるーく勉強していこうと思う。