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「看病する人が、病気になりにくい」「席を譲った人が、疲れにくい」を「遺伝子」で考察する


小学校の教科書に載っている、斎藤隆介作、滝平二郎絵の「モチモチの木」という童話をご存じだろうか?

山奥で、爺さまと二人で暮らす「豆太」という子どもは、夜になると、家の間にある大きなトチの木が怖くて、厠にもひとりで行けなかったのだが、ある夜、急病になった爺さまの為に、一人山道を走って医者を呼びに行くという話。
「もしかしたら、爺さまが死んでしまうかも」というモチベーションが、豆太をそれほどの行動に駆りたてた。

これは、「火事場の馬鹿力」という言葉もあるごとく、人間はいざとなったら、想像もつかないような底力を発揮する、ということを示している。

普段、ここまで追い込まれる状況には、なかなかならないが、「看病する人が、病気になりにくい」「席を譲った人が、疲れにくい」といったことは、誰もが身に覚えのあることだろう。

この理由の説明としては、「モチベーションがあがるから」であるが、もっと言うならば、「他人の(他の存在への)役に立つ行いをすることによって、人間の遺伝子が活性化するから」と言い換えてもいいのだろう。

科学の進歩は目覚ましいものがあるが、それでも「遺伝子や生命そのものをゼロから創り出すことはできない」。

遺伝子額の権威であった、故 村上 和雄 氏は「生命の暗号」の中で、次のように述べています。

「遺伝子のはたらきは、それをとりまく環境や外からの刺激によつても
変わつてくる」ということです。正確にいえば、それまで眠つていた遺伝子が目を覚ますことでもあるのです。

環境や外からの刺激といえば、 一般には物質レベルだけを考えがちですが、私は精神レベルでも考えています。精神的な刺激やショックが遺伝子に及ぼす影響、つまり遺伝子と心の関係がこれから注目されるようになると思っているのです。

遺伝子をONにできる人、できない人。昔から「病は気から」という言い方があります。
心の持ち方一つで、人間は健康を損ねたり、また病気に打ち勝ったりする――という意味ですが、私の考えではそれこそ遺伝子が関係しているということなのです。
つまり、心で何をどう考えているかが遺伝子のはたらきに影響を与え、病気になったり健康になったりする。

それだけではなく、幸せをつかむ生き方ができるかどうかも、遺伝子のはたらきによると考える学者もいます。
これは、人間の幸せは生まれつき遺伝子で決まっている、という意味ではありません。

幸せに関係すると考えられる遺伝子は、だれの遺伝子にも潜在しているはず
です。
その遺伝子をONにすればいいのです。いままで眠っていてOFFになっていた遺伝子を起こしてはたらかせる、ということです。

人間の遺伝子のうち解明された遺伝子はまだわずかです。これら遺伝子が、A、T、C、Gの四つの化学の文字で表わされる三十億の情報をもとに細胞をはたらかせるのですが、実際にはたらいているのはわずか5%程度とみられ、そのほかの部分がどうなっているのかはよくわかつていません。
つまり、まだOFFになっている遺伝子が多いのです。

心のあり方で遺伝子のはたらき方が違ってくるのは、人間の遺伝子のほとんどがOFFになっていることと関係があるのかもしれません。
私はこのわかっていない遺伝子のなかにも、心と強があるのではないかと思っているのです。

では幸せをつかむために、私たちは遺伝子をどうはたらかせればよいのでしょうか?。
それは日常生活をはつらつと前向きに生きることだと考えています。

「イキイキ、ワクワク」する生き方こそが、人生を成功に導いたり、幸せを感じるのに必要な遺伝子をONにしてくれるーというのが私の仮説なのです。

遺伝子のはたらきは、現在はたらいていると思われるのはわずか5%からせいぜい10%、あとは何をしているかわからない。
進化の歴史が残りの部分に書かれているかもしれないし、今後の進化の可能性を残しているとも解釈できる。まだ意味が不明なのです。

その意味不明の部分が、おそらく遺伝子のON/OFFに関係していると私は思
うのですが、要するに合理だけに目を向けていると、物事の半分しか見ていないことになる。

「生命の暗号」村上 和雄

 

体調の悪さに苦しむ人、世の中に希望を見出すことができない人は、この『「イキイキ、ワクワク」する生き方こそが、人生を成功に導いたり、幸せを感じるのに必要な遺伝子をONにしてくれるー』の言葉に注目されるとよいと思います。

私流に言わせてもらうならば、「イキイキ、ワクワク」する生き方とは、「他人や他の存在にとって役に立つ行動をすること」が生命の素である遺伝子を活性化することなのでしょう。







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