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『 ボクら、案内します 』

 

ボク、案内します!」・・・。

せっかくボクがおしえようと思ったのに、こういう時、いつも友達に先をこされてしまう。

始業式のきょう、やってきた転校生。

いつもはだるい教室の空気がいっしゅんにして変わった。

なんかレモン色の光がさしてきた!・・・みたいな。

名前がエリザさんなんて、やっぱり東京から来た人はちがうね。

きょう一日、みんなそわそわ、興味しんしんなんだけど、ボクらなんて近づくことすらできなかった。

それが、なんと! 帰り道がいっしょだなんて。

それで学校の道具を売っているお店をエリザさんのお母さんからたずねられたので、それはもう、はりきるわけなんだ。

あれ、でもちょっと、この立ち位置って・・・ビミョウ!?

僕の子ども絵日記-36


◇ ☆彡 ☆彡 ☆彡



 転校生というのはなぜ、こうも期待を持って見られるのだろうか?

「もしかすると大親友になるかもしれない」あるいは「クラスの空気をかえてくれるかもしれない」という期待が、また勉強の毎日が始まるというけだるさを、ひと時でも破ってくれるからだろうか。

  私も教師時代、転校生が来るという時には、進んでクラスへの受け入れを希望していた。

ある一人の転校生をむかえた時、申し送りで、彼は前の学校で不登校ぎみだったと聞いた。

父ひとり、子ひとりの家庭で、寂しそうな彼の表情を見た時、何とか笑顔で学校に通ってほしいと思った。

それから数ヶ月後、彼はクラスのみんなから「○○ちゃん」と呼ばれ、笑顔で過ごしていた。

その笑顔が今でも思い浮かぶ。

(舞台の場所:西彼杵郡・長与町)


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