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「すいません!」がすぐ言える人になろう ~ 感謝・謝罪・挨拶・依頼・注意・了解などを表す、万能な言葉

「すいません」と聞くと、どうしても「謝罪」のイメージが強いと感じる人が多いのだろうか?
私が一時期在籍した語学学校の経営会社の上役は、会議室にお茶を運んできてくれた事務員さんに、私が「すいません、ありがとうございます。」と逐一口にしていると、「(校長が)そんなにペコペコする必要はない!」と言った。
彼は社長と校長と事務員が、単なる役割に過ぎないという事を理解していなかった。
やってもらったことに「感謝」の意を伝えるのは、けっしてペコペコすることではないのだ。

ある日、長崎駅に隣接する商業ビルで、トイレに行こうとした時、旅行者らしき男性と通路で鉢合わせした。
彼には、何の落ち度もなかったが、咄嗟に「すいません」と口にした。
彼が旅人だったからなのか、それとも彼の信条だったのかはわからないが、見習うべき態度だと思った。
「謝罪」と言うよりは、「挨拶」に近い感じを受けた。
一瞬すれ違うだけとは言え、相手の存在を認めリスペクトする、素晴らしい所作である。

これに近い印象を持った出来事がある。
昔、ルーブル美術館を訪れていた時に、私はなんとなく彫刻の展示物に触れてしまっていた。その時、監視員の若い女性が、「Silvupré、Don't touch!」と声をかけた。本来、貴重な人類遺産とも言うべき芸術作品に触っている私が悪いのだから、「Don't touch!(さわるな!)」だけでもいいのだが、その女性は、「Silvupré」を付けることによって、「Please」
の意味で、相手に敬意を払い、私の自尊心を傷つけることなく仕事を遂行した。
これを日本語で言うならば、「すいません、さわらないでください!」或いは「すいません、さわらないでいただけますか!」という「注意」になるだろう。

列車に乗った時、隣が空いている人の席に座ろうとする時に、何も言わなくても問題は無いが、「すいません、ここいいですか?」と声をかければ、「依頼」と「挨拶」の意味となり、加えて「あなたのプラベート空間を邪魔します」という「謝罪」の意味ともなって、言われた方は、大変気分がよくなるだろう。

仕事の場面でお客にクレームを言われたり、上司から注意されたりした時にも、すぐに「すいません」と返せば、相手は注意した(クレームを伝えた)成果に満足し、収まるだろう。
その時の「すいません」は「謝罪」と言うよりは、「わかりました」という意味の「了解」を意味を持つのである。

「すいません」は「すみません」という言葉から派生している。
「すみません」は「澄みません」と書き、「自分の心はクリアーではない」或いは「自分の心は、今動いています!」と意味なのである。

「ありがとう」をよく使えという人は多いと思うが、私は「すいません」をすぐに言える習慣・所作を身に付けることを、お勧めする。



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