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少女の日記としてではなく、一人の人格ある人間のものとして「アンネの日記 増補新訂版(文春文庫)」を読む ①

但し書きとして、この表題を見て、まず「amazon」などの書評を読むのは、お薦めしません。

ある特殊な時代の、特殊な環境に置かれたティーン・エージャーの「可哀そうな日記」などといったつくり上げられた先入観は捨てて読んでください。
600ページにも及ぶ、その真髄に触れた時、その中の「人間としての本質と精神」をどれくらい汲み取るかだと思います。

従いまして、読んだ後に「性格が悪い」だとか、「日記そのものが捏造だ」とかいった、様々な思いを持たれても、それはなんら責められるべきことでは無いと思います。

しかし、私は間違いなく、自分が触れたノンフィクションの記録として、現在のところ最高のものだと感じましたので、そのことを今後数回に分けて紹介したいと思います。

もちろん、私も読む前にアンネ・フランクについて基本的なことを調べましたので、ゲシュタポに捕縛された年月を知りつつ読み進めましたので、最初の頃、なかなか進まなかったページが、段々薄くなり、「その日」が迫ってくると、読むのが苦しくてたまりませんでした。

しかし、読んでいる間、彼女が70年近くも前に亡くなった人だとは、どうしても感じられませんでした。
まるで、今現在生きていて、国や言葉、年齢さえも跳び越えて、考えていること、感じていることをSNSか何かで読んでいるかのような錯覚に陥りました。




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