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中学校美術教育について考える ⑦ 中学生に美術教育は必要なのか?

どう考えても、「絵が描ける、描けないは、先天的な要因が大きい」ことは、間違いありません。

それは、運動神経よりも顕著なものだと思います。
私は、まぁ絵が描ける方だとは思いますが、もちろん親は絵に関して平凡ですし、習ったことなどありません。

私が幼稚園生の頃の帰り道、いつも、通り抜けていた長崎大学文教キャンパスでは、その頃、学生運動が盛んで、よく大学生たちが、大きな立て看板にスローガンなどをペンキで書いていました。

我々は、いつもプラプラ遊びながら帰宅していたので、よくそういう大学生の兄ちゃんたちが何かを書いているのを、周りでチョロチョロのぞき込んでいたりしました。
そんな時、ふと友だちが、スローガンを書いていた大学生に、「にいちゃん、エジマくんは、絵の上手かとバイ!」と言った時があったのですが、大らかな時代で、学生はペンキのついた筆を「それなら」と私に渡してくれて、「ニャロメ」なんかを看板の空いている所に描かせてくれました。
学生の兄ちゃんは、ニコニコと、「上手かねぇ!」と笑ってくれました。

思えば、自分がある程度絵が描けると認識したのは、その頃からで、小学生時代も、友だちから「帳面に、絵をかいて!」と頼まれることもありました。

つまり、そういう体験などない者にとって、「中学美術」の授業は、どういったものだったろうかと今でも思います。

一生懸命やったところで、上手い者には到底敵わず、受験科目でも無い「美術」という教科。

どう考えても中学生の抱える何らかの問題をソリューションするものでは無かったでしょう。
それでも、若い頃の私は、美術の授業に於いて、「美術は上手くはならなくても、好きになってもらう」という目標をずっと持ってやってきました。

題材やテーマは、常に中学生が興味を持っていることに近いものを選択しました。

また、コミュニケーションによって、少しでも美術という教科に興味を持って欲しいと思い、授業を受け持った全てのクラスの生徒全員と「授業ノート」の中で、言葉のやりとりをしました。
大きな学校では、毎日600人近い生徒と「交換日記」のような作業を行っていたわけです。

しかし、それでも尚、「美術が生徒たちの生きる力になった」と実感することは、できなかったように思います。


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