山本 二三展を観覧して 最も印象に残っているもの
昨年、令和3年に長崎県美術館にて、五島列島出身のイラストレーター、山本二三さんの作品展があり、拝見してきました。
数多くの作品が展示してありましたが、最も印象に残ったのは、作品ではなく、作品集に収録されている、「郷里・五島のエピソード」でした。
はっきりとは覚えていませんが、確か次のようなもの。
五島にいた親族の中で、一人の叔母は、大変バイタリティーのある人物だった。
竹を割ったようなサバサバした性格で、とにかくよく働いたのだが、情の深い人物でもあった。
集落の外れに、身寄りの無いひとり暮らしのお年寄りが住んでいたのだが、叔母は、忙しい作業の合間に、このお年寄りのお宅を訪れ、何かとお世話をしていた。
閉鎖的な島のこと、周りの島民は、「遺産を狙いよるとばい!」などと心無い陰口をたたく人もいたが、叔母はそんなことには一切、臆することなく、あっけらかんとして、お世話を続けた。
人の住む集落があれば、必ずこの手のしがらみはあるもの。
そんなことを明るくあっけらかんと跳ね返して、自分の生き方を貫いていたという、この名もなき叔母さんの生き方は、「十字修道会の岩永マキ」らキリシタンの人々に共通するもので、これこそが、もっとも価値のあるものだと思う。
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