マガジンのカバー画像

長崎/人物・歴史・エトセトラ

189
運営しているクリエイター

2024年3月の記事一覧

S東美で軍艦島パネル展をみる

「S東美」・・・長崎市の人なら誰でも知っていますが、他の土地の人は「えすとうび??」と思われるかもしれません。 S東美の元は大正13年創業の佐々木商店。 昭和22年には繊維製品・装飾雑貨・美術品を扱う「東洋美装店」として株式化。その後株式会社エスマートと併せて「S東美・Sマート」となっています。 長崎市では「浜屋」「玉屋」「岡政(閉館)」とならんで馴染みのある百貨店です。 現在では地上4階までが売り場となっており、5階は事務所兼コミュニティ・スペースとなっています。 今回はブ

佐世保港の「巨人」は、スコットランドからやってきた ~SSK・250トンハンマーヘッド型クレーン

新聞の連載を持っていた時に「昔からある、佐世保ならではの風景は?」と考えて、浮かんできたのが、「坂道の途中に見える巨大なクレーン」・・・というものでした。 佐世保の親戚のうちに遊びに行って泊まった翌朝、細い坂道を下っていくと港に突き当たり、そこにはいつも艦船がいっぱいでクレーンの林がそびえていたような記憶があります・・・。 佐世保重工業(SSK)の250トン・ハンマーヘッド型クレーン。 この「巨人」は、大正2年(1913)より約1世紀の間、「佐世保のランドマーク」としてこ

美輪明宏さんの好きな佐古小周辺は、幕末の風情が残る場所・・・

「ここにある小学校が、廃校となれば、さぞ地域は寂れるだろうなぁ・・」と思うような場所で、次々と学校が消えていっている中・・・・ 長崎市もドーナツ化で、中心部の人口が急減しているのですが、「仁田(にた)小学校」と「佐古(さこ)小学校は、至近距離にありながらも、統廃合の波に呑まれていません。 こちらは明治35年開設の長崎市立仁田小学校です。(西小島2-6-15) そしてこちらが、明治39年開設の長崎市立佐古小学校です。(西小島1-7-1) 両校がどれぐらい近いか、と言うと、

大楠がつくった大楠小学校

「東彼杵郡、東彼杵町立 大楠小学校」 新聞の連載で2009年の年明け、1月は、この小学校の近くを描いたのですが、あとでこの地をよくよく調べてみると、長崎街道の中にあり、近くにあったこの小学校にも深い歴史があることがわかりました。 二ノ瀬集落のこの地には、昔、楠の大木があったらしいのです。 シーボルトは江戸へ向かう途中に、この大楠を調べ、幹の周囲16.9m、直径5.4mという記録を残しています。 また「大村郷村記」によると、領内随一の大木で、高さが梢までの高さが約23.6m

路面電車200形202号

数日前、浦上車庫前付近で出会った路面電車202号。 202号車は、昭和25年に日本車輌(名古屋市)で製造された5両のうちの1両です。 福岡市の西鉄線500形の側面をそのままコピーし、車体幅を120mm細くして造られました。元々の姿は↓下の画像のようなものでしたが、ワンマン化の際に正面窓を固定化し、冷房化の際に張り上げ屋根への改造、方向幕の大型化、前照灯位置の窓下への移設、側面方向幕の新設、客室灯の蛍光灯か、及び自動ドア化など・・・大幅な改造が施工されました。 ドアは現在も尚

戸町~ねずみ島行きの桟橋

それほど強く意識していたわけではないのですが、長年?調べたいと思っていたことがありました。それは・・・・。 小学生の頃、ねずみ島(皇后島)遊泳道場へ通う際、大波止とねずみ島を往復していた船は途中、戸町の桟橋に立ち寄り、市内南部の子ども達を乗降させていました。 その頃、船上から眺めていた、あの戸町桟橋はいったいどこだったのだろう・・・・?ということです。 探してみることにしました。 戸町に着いて、付近を歩いている人にたずねると、二人目のおじいさんが、渡辺造船所の所だと教えてく

活気に満ちた昭和の汽車旅の記憶をそのまま保存してある、肥前七浦駅(佐賀県鹿島市)

JR長崎本線の「肥前七浦(ななうら)」駅は、佐賀県鹿島市大字音成にある無人駅ですが、長崎本線の昭和時代のイメージをほぼそのまま残している貴重な駅舎だと思いますので、紹介したいと思います。 肥前七浦駅は、昭和9年4月16日、JRの前身である鉄道省によって、有明線(現・長崎本線)の駅として開設されました。駅舎の外観は当時のままの姿をとどめており、標題のごとく、「活気に満ちた昭和の汽車旅の記憶」を今の時代に、彷彿とさせてくれます。 長崎本線は、長崎市・諫早・島原方面と、鹿島・佐

私が紹介したい長崎 ④ ド・ロ神父が眠るキリシタン墓地が語りかけてくること

パリ外国宣教会の神父として、外海(そとめ)地方を拠点に活動し、生涯故郷フランスに帰ることなく、ここ出津(しつ)の地に眠っています。 旅行者はほとんど出津教会やド・ロ神父記念館を見学して、墓地には来ないと思いますので、ド・ロ神父が眠るカトリック墓地を紹介したいと思います。 「カトリック墓地が語りかけてくる言葉」をぜひ聞いてみて欲しいと思います。 墓地は、外海中学校(旧出津小学校跡地)の向かいの出津川を挟んだ山あいにあります。 墓地の前にはツーリスト用の駐車場があります。