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今だからこそ信じたいスポーツの力。

新型コロナウイルス感染拡大の影響で社会は今までにない形となっています。自分の生活も平日の仕事は先月まで週二日の自宅待機があり、週末は大好きなJリーグとNPBのない日々を送っています(Jリーグは6/27再開、NPBは6/19開幕)。

そして、もう一つの週末の大事な予定である地域の活動も止まっています。今回はその「地域の活動」についてお話させていただきます。

僕は地元でスペシャルオリンピックス(SO)という活動に参加しています。SOとは「知的障害のある人(以下、アスリート)たちに様々なスポーツトレーニングとその成果の発表の場である競技会を年間を通じ提供している国際的なスポーツ組織」です。
簡単に説明する時は「スポーツを楽しむ機会が少ない知的障害のある人たちとスポーツを楽しんでいる活動」と言っています。
(出典:SO日本HP http://www.son.or.jp/)

SOと出会ったのはちょうど20歳の時。当時大学生だった僕に小学校時代の担任から「水泳のボランティアを探している」と連絡がありました。

脳性麻痺による身体障害がある僕には、高校に入学してもうこのレベルではスポーツができないと諦めかけていた時に、バレーボール部に受け入れてもらって涙が出るくらい喜んだので、自分の行動でそういう喜びを味わう人が増えると嬉しいなと思い参加しました。

最初は水泳のボランティアコーチとして、そして今では現場のお世話役みたいなことを、なんだかんだで10年以上やらせてもらっています。

SOに参加していなかったら出会わなかっただろう人達にもご縁をたくさんいただいています。ちなみに初めての彼女にもSOで出会いました。

僕が住んでいる街はコンパクトなので、何か1つの活動を続けていると他の活動にも声をかけてもらったりするのでちょっとした有名人気分も味わえます。これはまた別の機会に書き留めます。

SOの活動における僕の行動方針は「肯定する」です。

アスリートにはスキルが上達したこともいっぱい称えるし、決めた時間に会場に来ることが出来たこともいっぱい称える。もし自分の行動・プレーに迷う素振りをしていたらまず頷く。一人一人が自分にあった形でスポーツを楽しんでいることをとにかく肯定する。

アスリートの家族(ファミリー)には、最近の様子を聞きながら人生の先輩に対するリスペクトも込めて肯定する。コーチには活動趣旨に賛同してくれたことに感謝しながら練習内容の考えを聞いて肯定する。
(もちろん他人を傷つけたり安全を脅かす行動には誰であっても許しませんが)

この活動が参加する人々にとって、どんな意味をもつのか考えることがよくあります。でも正直答えはわからないし負担になってるのではないかと不安になることもあります。

でも、ある時からこう考えるようになりました。

自らの意思で地域の活動にせっかく集まってスポーツをするのだから、例え日常で嫌なことがあってもその時間は忘れて思う存分楽しんでほしいし笑っていてもらいたい。だからみんなを問答無用で肯定する。
そんな空間が生活にあってもいいし、作っていきたい。

特別なスポーツスキルがない自分が、この活動でできることはこういうことかなぁと思っています。

実際の活動ではうまくいかないことも傷つくこともたくさんあります。仕事との両立に体力的な不安を感じることもあります。

ある晴れた日にサッカーでミニゲームの練習を始めた時。あるアスリートが突然ピッチの上に寝転びました。「せっかくの青空と芝生を楽しまないとダメだと思って。」コーチも苦笑いを浮かべながらもそのまま続けました。

アスリートには忙しい毎日の生活では忘れそうな大切なことをよく気づかせてもらっています。ファミリーやコーチは若輩者の自分が言うことを最後まで真剣に聴いてくれます。

誰かを支えているようで、実は自分が支えられていたのかもしれない。
誰かを肯定することで、自分が肯定してもらっているのかもしれない。
コロナ禍でSOがない今は、そんなことを強く感じます。

今まで上手くいかないことがあって自信がもてなくても、体を動かし始め誰かと出会うことによって少しずつ自分を信じられるようになっていく。

誰かのために。自分のために。
何度も救われてきた「スポーツの力」をこれからも感じるために、自分なりにスポーツを楽しんでいきます。

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