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スルース 名古屋 感想 2021/2/19~21

 最後の公演地名古屋へ行ってきました!!
 いや、もうとにかく大千秋楽まで出来てよかった。コロナもだし、仙台で地震あった時はどうなるかと思いました。
 この作品でも他の作品でも公演に関わる全ての人が徹底して対策してるのは当たり前。でもやむを得ず中止や休演になってしまうこともあった。
 そんな中で一公演も落とさずにやり抜けたのは神様か誰かが味方してくれたんですかね。あまりこういうこと言いたくないけど運がよかったんだろうな…。大千秋楽本当におめでとうございます&お疲れさまでした!

 今回の感想もネタバレあります。未見の人はこの記事読まないで、もしくは本当に最後の最後のカテコの部分だけを読んで、ホリプロに再演のご要望を出しに行ってくださいお願いします。再演に必要なものはあとは客の再演希望の声だけらしいので…お願いします…。


役者のポテンシャルに驚かされた話

 役者二人凄すぎません!?芝居の引き出しが本当に多い!

 シャンパン口に含んでからぶっかけたり、キャビア食べさせてあげたり、銃を股間に押し当てたり、上にのって頬を叩いたり。他にも大阪と比べると色々と変わった点はありました。アドリブがきつくなったり間の取り方も違ったり。

 完成が見えないと言うと語弊しかないんだけど、とどまるところを知らない。最後の回も大楽だからって綺麗に置きに行くことはしない。まだまだやれることを探してガンガン攻めていく。だから毎回新鮮味が感じられて、終始ヒリヒリとした緊張感があって何度見ても面白かった。展開や結末は同じでもそうなるまでのアプローチが毎度違うんですよね。フランケンシュタインが役者ごとの色の違いに感銘を受けた作品なら、スルースは役者個人の能力やポテンシャルに衝撃を受けた作品です。(他作品の名前出して申し訳ないんだけど本当にそうなんです!)

 そしてマイロとアンドリューの戦いでありながら柿澤さんと鋼太郎さんの戦いでもあったというか。大楽での、マイロが変装ばらした後にアンドリューが言う「最高だったよ」というセリフは、鋼太郎さんが柿澤さんに称賛を送ってるようにも感じられて…。本当にドップラー警部最高でした。

 名古屋は初見の人が多いのか、そういう県民性(?)なのか、いちいちウケが良くてですね。笑いをとる場面はもちろん、何よりマスク取って変装明かした時のどよめきが馬鹿デカくてびっくりしました。一番ざわざわしてたのが大楽じゃないかな。ステージ上の二人にも余裕で聞こえたと思う。良い最終回でした。



マイロは本気で死ぬつもりだったのかという話

 これ未だにわからん。

 撃たれた瞬間は笑ってるし、血を見た時もびっくりしてる。

 けど、「あなたがゲームに憑りつかれていて殺人を芸術だと思い込んでいる男だと警察に話しました。あなたの人生最大の目的は実際に殺人を犯して、死体を見つからない場所に隠し、馬鹿な警察には分かりっこない証拠を家の中にばらまいておくことだと何度も言っていたと。(中略)もし僕の言ったことを信じてくれないなら、あなたの小説とこの家の中の物を見れば僕の言った通りだってことがわかりますよ」ってセリフを、もし本当に土曜の朝にタラントに言っていたんだとしたら、死ぬ覚悟を決めて罠を仕掛けたんだろうなとも思う。

 「それでなんて聞くんだ?マイロ・ティンドルという男がそちらへ伺いましたか?そして彼が、私が彼を泥棒に仕立て、私が彼を撃ったと言いましたかって聞くのか?」

 このアンドリューのセリフとPCに書いた小説の文章も、タラントと話す前の1幕と話した後の2幕の話でそれぞれしっかり当てはまるんですよね。泥棒の部分は1幕では宝石、2幕では毛皮のコート。撃ったっていうのも1幕では空砲で気絶、2幕では実弾で殺害。

 だから、マイロとしては、生きて帰るのも殺されて終わるのもどっちもありえるものとして考えてたのかなと思う。

 マーガリートはマイロについていくことが決まったんだからもうその時点でマイロの勝ちだった。だから撃たれずにそのまま帰ってこれたらそれはそれで別にいい。

 けど、アンドリューがもし自分を撃ち殺人を犯して刑務所行きになるなら、マイロの勝ちというよりアンドリューの負けということになり、それはマイロにとってもうとんでもなく素晴らしいこと。

 しかもマイロくんちょっと言い方悪いけど「無敵の人」みたいなところあるし。外国人移民で社会的ステータスも金も無い。そして上流のアンドリューに弄ばれて。その絶望がトリガー引いてアンドリューを社会的に殺すことに思い至っても仕方がないような…。

 もし本当に死ぬ覚悟をもってアンドリューを潰すために2幕のゲームを仕掛けたんだとしたら、マイロは相当なギャンブラーだよね。土曜の朝に警察に駆け込んでもろくに取り合ってもらえなかったのに。「現実の警察はあなたが思ってるほど馬鹿じゃないんですよ」ってセリフも、なんでそこまで警察を信頼できるのかあまり納得いかないんだよね。どうなんだろう。

 頭の中を整理するためにこの項目書いてるのに「マーガリートは本当にアンドリューの元に帰るつもりはなかったのか?」とか「マイロはタラントに22時を少し過ぎてから来るように言ったんじゃないのか?」とか疑問が溢れて収集がつかなくなってきた。マイロの言葉はどこまでが本当でどこからが嘘なのか。もう大千秋楽終わって再演待ちの状態だというのに…。

 「自分はこう思うよ」とか解説してくださる方がいらっしゃいましたらTwitterの方にご一報ください。もう私にはわからん。



名古屋3公演で特に好きだったところ(完全自分用)

 どうしてもネットの海に流しておきたいものがいくつかあるので書かせてください。そんなことしてなかった それ幻覚やで っていうのがあればコメントか何かで知らせてください…。順番はぐちゃぐちゃ。カテコはニュアンスで印象に残った部分だけ。大部分は略してあるので当てにしない。

19日
・ラストシーン、マイロがサイレン聞こえてくる前に血を吐いてしまう
 →サイレン聞いてドバっと吐く時にマイロの瞳に強い光
・「昔の 遠ーい昔の幻影だけ」
・「オーガズムに達しているんだ」のところでの某単語 (ちょっと配慮して伏せます)
・カテコ 
 二人とも「この光景は一生忘れません」って言ってたと思う (20、21日も同じく)

20日
・「僕はここに何しに来たんだろう」アンドリューにむけて氷ぶちまける (これ本当に幻覚かもしれん) (追記:Twitterのリプライにて幻覚ではないことを教えていただきました!ありがとうございます!!)
・蜂のアドリブで白いブラジャーに顔うずめて泣く
・キャビア食べさせる (21日も同様)
・1幕ラスト、マイロが全く立てないまま2階の真ん中まで上がりきる
 →「イタコ ユダヤ」でアンドリューに胸倉を掴まれる
 →「一つ聞くがお前は本当に」顔超近い
 →「どうして あなたは彼女を」アンドリューの腕を掴もうとする
 →「愛していようとなかろうと」マイロを突き放す


21日
・「エリザベートだよ」「ちょっと興味ある」
・マイロが脱ぐ場面、「ネクタイとー 落とすなー! シャツー」
・蜂のアドリブで白いパンツに顔うずめて泣く
 →「責任取れ」
 →マイロが笑う
 →「なんで笑ってるんだ」
 →「ごめんなさい or 許してください」(どっちか忘れた)
次のくだりにいって
 →「でも気絶もさせずに縛るのって無理ありませんか?」
 →「急に偉そうになったな 蜂の毒を頭に注射すると言っていた君とはえらい違いだ」
 →椅子にふんぞり返るマイロ
 →「偉そうだな~」
・「どうかしてるよ お前こそ殺されるべき狂犬なんだ」 アンドリューがマイロの股間に銃をグリグリ押し付ける
・シャンパン口に含んでからアンドリューにかける
・アンドリューがマイロに縋りつくシーン、濃い、大真面目な口説き、顔近すぎてキスしてしまうかと… 
・「嫌です」いつもより激しく突き放す
・「アンドリュー、自分を見てごらんなさい」仰向けのアンドリューの上に乗っかって頬をぺちぺち叩きながら言う
・「インポのあなたが女装をするなら置いておきますね」アンドリューの頭に下着置くだけでは足らず、口に押し込んでくわえさせる
・「『おい』私はそんなに馬鹿じゃないよ」
・カーテンコール
 鋼:コロナっていう歴史に残る出来事の中で、ほとんどの公演(実際は全公演)を実施することが出来たということは、演劇史にも残るんじゃないかと思います
あと、他の公演には悪いけど、今日が最高の出来です!
・同じくカテコ
 柿:鋼太郎さんがおっしゃった通り
 鋼:吉田が申し上げました通りって言うんだよ
 柿:先輩なのに…?
 鋼:お客様が目上だから
 柿:吉田が申し上げました通り
 鋼:雑だな
 柿:鋼太郎さんが申し上げました通り
・カテコ続き
 柿:欲張りなんですけど…。コロナでいらっしゃれないお客様や、政府からの要請によりチケットも売り止めになっちゃってご覧になれなかったお客様がいらっしゃること存じております。そんな時に鋼太郎さんが「かっきーもう一回やろうよ」って言ってくださって。で、舞監さんにも「セットどうするんですか?」って聞いたら「残せるものは残す」って言ってて。なので「そういうことですか?」って
 鋼:言っちゃったー
 柿:まあ、再演あるかはわからないですけど
 鋼:えぇ…?
 柿:弊社ホリプロにご要望を嫌がらせのように送っていただければ、またアンドリューとマイロに会えるかもしれませんので…


 再演の話、鋼太郎さんが話してくれてもよかったのに柿澤さんに言わせたのが凄く優しさのようなものを感じられました。マジで早くコロナ収まって再演してほしい。その時は絶対チケット取れないだろうな…。でもいろんな人に見てもらえるなら自分はそんなに回数見れなくてもいいかなって思う。もちろん見たいけど、たくさんの人が目撃すべき作品なので…。
 とにかく今はホリプロさんに大量の要望を送りつけながら、ここに書ききれないほどの思い出に浸ろうと思います。最高の作品でした!!

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