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生存記録その4~ライフライン寸断~

1993年8月31日。
僕は友人のしおやきさんに助けられ、街外れの小さな家をセーフハウスとして暮らし始めた。

用意された斧で裏庭の木を切り、ノコギリで木材に加工。大工の腕を活かして全ての窓やドアに板を打ちつけ、バリケードを作った。これで容易にゾンビは入ってこれないはずだ。

セーフハウス周辺のゾンビはあらかた始末されたので、ここ数日は静かな夜を過ごすことができた。鍋にパスタとコンビーフ、水を入れてオーブンにかけ、バターを足して食事を取る。温かいメシは旨いなぁ。

夕食の満足感に浸った後は、寝室の柔らかいベッドに入り、ゆっくり眠る日々が続いた。

ある日の朝。
ベッドの上で大きく伸びをして、いつものように電灯のスイッチを入れた。
…あれ?つかない。おかしいな。
飛び起きて家の中の全ての電気をチェックする。
何もつかない。灯りも、電気オープンも、洗濯機も、うんともすんとも言わない。停電だ!

むしろこの状態でよく今日まで電気が通じてたなと感心しつつ、僕は調理を諦め缶詰を開けた。冷たいボロネーゼをかき込む。なんだかとても惨めな気分だ。
とりあえず水飲もう…と水道の蛇口をひねる。
…出ない!!蛇口は空回りし、水の一滴も出てこない。断水だ!

なんてこった。最悪電気はなくても生きていけるけど、水がなければ乾きで死んでしまう。僕は家中のシンクの蛇口をひねった。幸いにもシャワーや洗面所にはまだ上水に水が残っていたので、ソースパンやボトルに貯め、当面の飲料水を確保した。体も服もドロドロだけど、シャワーや洗濯は諦めないといけない。

電気と水道のない生活がこんなに不便だとは思わなかった。街の街灯も消え、日が落ちると部屋の中は真っ暗になる。探索は窓から日が差し込む日中しか出来なくなった。
翌朝。乏しくなってきた缶詰を探しに隣の家のガレージに入ると、赤い大きな機械が置いてあった。

ガソリンで動く発電機だ!!なんてラッキーな。これを家に接続してスイッチを入れれば、電気が復旧する!
僕は発電機を持ち帰ろうと手をかけた。
クソ重い!!なんでこんなに重いんだ!!発電機を両手に抱え、足腰と腕が折れそうになりながらどうにか車の助手席に積み込んだ。横に貼ってあるシールが目に入る。「重量40キロ」。僕は戦利品の重さを噛み締めた。
一休みすると、近くの道路に放置されていた事故車両を漁る。トランクには空のガソリン缶が入っていた。給油口からガソリンを抜き取り、缶に詰めて持ち帰った。
しかしこの発電機、家に持ち帰って触ってみると、素人が扱えるものではなかった。使い方が難解で、「発電機マニュアル」を読まなければ電源を入れることさえできない。
さてどうしたものか。

ここで僕はしおやきさんのメッセージを思い出した。ウエストポイントでの生活が落ち着いてるらしく、物資がたくさん集まってるらしい。なら本もたくさん貯めてるだろうし、発電機マニュアルの一冊や二冊あるかもしれない。
電気も水も絶たれたリバーサイドの生活に不安を抱いた僕は、発展著しいと思われるウエストポイントへの移住を思いついた。

善は急げだ!僕は車のトランクを開け、長旅に備えて物資の積み込みを始めた。

※この物語はフィクションです。
筆者のゲームプレイをドキュメンタリー風に綴った日記になります。
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