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山羊座のS木くん

年明け、S木くんから「年上の彼女と別れたいんだけど、恨まれないように自然消滅に持っていこうとしてる。」と連絡が来た。今誰と付き合ってるんだっけ?彼女と言っても一ヶ月も経ってないはずだが・・・。山羊座の男性は打算的な人が多い。恋愛に対してもそうだ。私の友人、28歳のS木くんもその一人である。

S木くんの事は彼が初めて女性と交際する前から知っている。つまり私は彼の恋愛遍歴をほぼ見てきたと言っていいだろう。彼は以前から今のように軽い男だったわけではない。聞いてるこっちが恥ずかしいわ!というくらいピュアな恋心を聞かされた事もある。まあ人間は男女関係なく、みんなそうかもしれないが、間近で見てきたからか彼の若い頃を振り返るとよくここまで立派な遊び人に成長したもんだという驚きがある。

近年の彼の恋愛と言えば、既に体の関係がある女性の名前を6人ほどズラッと並べて「Aちゃんは容姿がいいけど職業がね。」やら「Bちゃんは実家と性格はいいけど顔が圧倒的に無理。」、「Cちゃんは他は完璧だけど性欲が強すぎて気持ち悪く思えてきちゃったんだよね。」と俺様に相応しい女は誰ぞとばかりに女性を比較し、ミラさんどう思う?と私に意見を求めてくるスタイル。これこそ山羊座男性の典型。彼らは価値あるものがお好きで、自分の隣に置くなら自分と同等又はそれ以上の人をという考えがある。見栄えするものが好き。

彼のお父様は著名な人で、実家には美術館のようなスペースまで存在している。所謂お金持ちの子である。しかしながらどこで味を占めたか、いつの間にか彼の恋愛観はヒモ男のソレに。いや、彼のホロスコープを見れば元からそういう気質だったのかもしれない。女性とデートしても財布を出す事はほとんどないらしい。でも山羊座って将来を期待できる女性には今だけ我慢してやるかと尽くしたりもするんだけど・・・と思いながら話を聞くと、めちゃくちゃタイプな子にはおごっているとの事。なるほどね。ですよね。

彼が初めて女性と交際してから今日まで、数十人の女性と体の関係を持っているはずだが、その大半は本気ではない。「自ら部屋に来たくせに彼女にならなきゃできないと言うならば、その肩書を即時発行する事もあるよね。」とサラッと言うクズである。しかしながら彼は来るもの拒まず去るもの追わずなスタンスで自らの性欲の為に女性を追いかけまわす事はしない。仕方なく「彼女」という一時的な肩書を与えても経歴に残る「本命、婚約者」に簡単にはしないというのは価値あるものしか隣に置きたくない山羊座の彼が彼なりに自分の領域を守っているつもりなのだろう。

「最近、結婚願望出てきたんだよね。」と彼は言うが、自分で気づいてないだけでだいぶ前から候補を探しているように見える。以前交際していた面倒見の良い年上の彼女は彼と同じくお父様が著名人だったし、面倒くさがりで決断力のない彼に代わって色々と決めてくれるあたり、とても合っていたように思うが「親のスネかじって好きな事を仕事にしてるのが不安。」って・・・おまえも似たようなもんやぞ!!!!!と言いたいのは堪えた。何でも平均以上に良くて欠点がない子という今の彼には高望みすぎる彼の条件を満たす女性はなかなかいないんだろうが、そういう女性に出会って好意を持ってもらう為には、彼も上を目指す必要があるだろう。まだ28歳、たくさん努力をして頑張って幸せを手に入れてほしいものである。

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