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トランペット、未完成の進化?!

トランペットという楽器は、もともとファンファーレに使われる真っ直ぐな金属製の長い長いジョウゴみたいな形をしています。

しかしこれでは演奏するには取り回しに不便な上持ち運びは困難。その上出せる音も倍音だけ。

先ずは如何にして半音階を出せるようにするか、その難問をクリアすべく考え出された数々のアイデアの中で、今まで生き残ってしかも最もスタンダードなのが、ピストン・バルブ方式です。

トランペットを構えた時に奏者側(最も手前)のピストンが1番で、あとは順番に2番、3番です。

2番が最も短い迂回管を持っていますが、これは半音分の長さになっています。2番を押すと吹き込んだエアーがその迂回管を通過する事で管の長さが半音分長くなって倍音から半音下がる、という仕組みになっています。

同様に1番はその倍の1音分、3番は更に半音分多い1.5音分が迂回して倍音より下がる、という具合です。

あとはその組み合わせで、1番と2番を同時に押すと1+0.5=1.5音となり3番と同じ1.5音、2番と3番では0.5+1.5=2.0音、という様にして迂回路の長さを変える事で遂に半音階の演奏が可能になりました。

そうして半音の問題をようやく解決しながらも同時により演奏しやすいサイズとカタチを追求し、管を曲げる事で全体をコンパクトで持ち易くする改良を加えながら遂に完成したのが、現在のトランペットの基本型なんです。

とはいえトランペットなどの金管楽器は、サックスやフルートなどの木管楽器と違いかなり原始的な仕組みです。今後も更に進化していくノビシロはまだまだあります。そこがこの楽器を扱う私にとって興味の尽きない点なんです! 

音楽は時代と共に常に変化しています。その変化と共に楽器もその構造や音質などのあらゆる面で進化するべきだと思います。



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