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青少年健全育成教会(蔑称:焚書屋)の日報

「ミームハッカーめ…まだ漢字も読めない子供になんて事を…!」

僕達の突入は遅過ぎた。メレンゲ幼稚園ギモーブ組児童達のミーム汚染は不可逆的段階へと達していたのだ。

「どうして…アンパンマンの映画だったはずなのに…!」

エプロン姿の女性が震えている。通報者だ。
「ミームハッカーにすり替えられたのです。あなたも早くカウンセリングを」

軽症者は失禁・失神で済んだが、泣き叫ぶ男児が重症だ。
問題は彼の隣の『イマジナリ・フレンド』。先刻までカトゥーン体形の白猫だったろうソレは醜く歪み、赤黒く変色していく。

「ためらっちゃ駄目よ、こうなってしまったら…」先輩の巨大シュレッダーが回転を始める。

僕は火炎放射器のノズルを『イマジナリ・フレンド』へ、それを産み出した男児へ…!

「おっと、本の次は人を焼くのか?コトワザ通りだな焚書屋!」

クソッ、またあいつだ。見なくてもわかる。
青いツナギの男が窓枠に屈んでニヤニヤしているのだろう?

【続く】

#逆噴射小説大賞 #逆噴射プラクティス #小説

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