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第五回 警察だ!!!【パチ店長シリーズ】

前回の続きとなります。
道が開けるかと思った矢先に起きた事件とは…


それはある日、僕が遅番で出勤するために準備をしていた時のこと。
お店から一本の電話が鳴りました。


同僚「警察がきたんだけど・・・」
僕「は?なんで?なんかあった?」
同僚「設置期限切れてる台止めろって…」
僕「ふーん?でもそんなのないでしょ?」

同僚「いや、かなりあるみたい」

僕「!!!???」


ご存じの方もいると思いますが、パチンコにもスロットにも設置期限というものがあり、これを過ぎた機種は撤去しなければなりません。
検定を通過した日から3年間が設置期限となり、たまに再認定を受けることができる機種はそこから更に3年間設置できます。

僕は時期的に再認定の機種があったのは把握していましたが、期限切れがあるとは思っておらず、慌ててお店に行きました。


僕「期限切れってどれ!?」

同僚「リストによるとお店の1/3くらいだね」

僕「」


僕の働いているお店は小さいです。
その1/3というと、ぱっと見でほとんどがダメに見えてしまうレベル。


その後、オーナーに設置機種の検定書を持ってきてもらい、事実確認をしました。ここで僕は更に驚くことになります。


僕「っていうか再認定一つも受けてないじゃん・・・」

前回の時に書いた老害前任者を覚えているでしょうか。
オーナーの話によると、「再認定なんて受けなくてもいちいち確認なんて来たことないから、他の店が置いてるなら大丈夫」という理由で再認定を受けなかったとのこと。

僕は呆然としました。
定められたルールは守って当たり前。
そんなこともしていなかったのです。

更にいえば、このことによって設置していたノーマル機種のほとんどが期限切れ、その中にジャグラーシリーズも含まれていたことが致命的でした。
パチンコも甘デジコーナーを始め、稼働の多かった機種は半分くらい停止となりました。


今回の立ち入りは全国的に行われたので、この話自体を知っている方もいるでしょう。今回に関しては新基準機の供給不足による入替の困難さから、とりあえず電源さえ入れなければいいというお達しでした。

とても入替の費用が捻出できる状態ではなかった自店においては、まだ営業が続けられるだけマシでした。しかし、お客様にとってはそうではありません。

なにせ、ジャグラーしか打たない人だって大勢います。電源の切られた台が多数を占める環境では店内も暗く感じるし、ここで打ちたいと思う人は稀有でしょう。

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やっと来てくれるようになったお客さんは離れ、常連さんも「こんなに打てないとなぁ・・・」と当たり前のお話をされていきます。
僕だってどんなに好きなお店であっても、これでは打てません。

急いでできる限りの入替申請を行いましたが、入替できるまでには申請から早くても3週間ほどかかります。しかもジャグラーに関しては現状導入できる手段がありません

5時間来店者数0という日がちょくちょく出てきてしまう中、今回のコロナ騒動でお店は休業となりました。
申請した入替を休業期間中に行い、全部ではないもののある程度見れる形には整えました。でも営業再開に向けては資金が必要です。

パチンコ屋は基本的に公的融資を受けられません。なぜか対象外なのです。
僕は職業差別だと感じますし、世間の風当たりが強いのもわかっています。

でも業界人としてではなく、1ユーザーとして僕はこのパチンコ・スロットが好きです。
なくなってほしくはないし、上手な向き合い方を色んな人にしてほしい。
共通敵を生み出したい気持ちは理解しますが同意はしません。

今回セーフティーネット5号にパチンコ屋が含まれる話が出て、やっと少し不安が取り除かれました。まだ安心はできませんが、僕は娯楽というものは人間に必要なものだと思っています。パチンコ・スロットはその中の一つです。

万人に受け入れられるものはありませんが、きっともっと愛される大衆娯楽にはなれるでしょう。そうなるように尽力していきたいです。


さぁ、暗いお話はここまで。
無事に営業再開できた暁には、楽しい空間をつくるぞい!
みんな頑張ろうな(/・ω・)/

サポートしなくていいからまた見てくれたら嬉しい(*‘ω‘ *)