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付加価値を考えるときに、思い出すこと。

この場の付加価値はみんなで作ろう

とあるプロジェクトで、ファシリテーターが口にした言葉。付加価値を考えるとき、僕が思い出すのは学生時代のことだ。

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学生時代、1〜2年生のとき僕は学業に全く身が入らなかった。だらっと授業に出席していて、案の定、単位もだいたいがBかC。単位もいくつか落としていて、お世辞にも優秀な学生とは言い難かった。

そんな自分を変えようと決意したことがある。きっかけは「リーダーシップ論」という授業を受けたこと。講師は小杉俊哉さん。NEC入社後、自費で留学し、マッキンゼーやユニデン、アップルコンピュータを経て独立された方で、大学では人材開発やキャリア論についての授業を持たれていた。

小杉さんが授業で強調したのは、「あなたは、なぜここにいるのですか?」ということ。

なぜ、ここにいるのか。
考えたこともなかった。

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マザーハウスのCEO兼デザイナーの山口絵理子さんは、自身のnoteでこのように述べている。

(参加した「女性起業家ビジネスプランコンテスト」にて)最終審査には数名選ばれていたが、正直自分とその他の参加者のみなさんとでは、明らかに切迫感が違っていたように思った。
「300万もらえないと一号店作れないんだ、生産をしたいんだ、途上国から届けるんだ」。
当時の私を気狂のような目で見る人も多かったが、審査の時も「300万で都内にお店ができるわけないでしょう?計算間違っているよ」と言われたのだが、逆にキョトンとしてしまった。
「え。だってそれしかないなら、やれる方法を考えますよ」って言った。

(17周年|山口絵理子さんnoteより引用)

山口さんが、プレゼンのためのプレゼンを行なわなかったのは明白だ。一世一代の大勝負、これがダメなら起業はできないと退路を絶ってプレゼンに臨み、結果を残したのだ。

彼女にとってプレゼンの目的は、「優勝して、資本金の原資を獲得すること」。

なぜここにいるのか?と問われていたら、そう、答えていただろうと思う。

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山口さんの例にはまるで及ばないが、ささやかながら、小杉さんの授業を聞いて実践したことがある。

それは、授業で質疑応答の機会があれば、「必ず質問する」ということだ。それは10人の授業であっても、500人の授業であっても、変わらない。

友人と一緒に出た授業、500人の大教室(というかホール)で僕が挙手したとき、彼は「マジか」と声を漏らした。確かに最初は緊張したが、だんだん何も思わなくなった。むしろ「自分が気になることは、他人も気になること。自分がよく分からなかったことは、他人もあまり分かっていないこと」と考えるようになった。大学には優秀な学生ばかりがいるわけではない。僕のようにあまり知識がない学生も大勢いるはずで、彼らの疑問に僕が代表して質問しているのだ

当時は付加価値なんて言葉は知らなかったけれど、他の人にはなかなかできないことをやれたんじゃないかと思っている。

翻って今、僕が最優先にしていることがある。

自分がいる場所で、必ず目的が達成されること。

最高の雰囲気のときばかりではない。暗くどんよりして、覇気がない環境だってある。そんなときは努めて明るく振る舞うようにした。その逆も然りで、そういうときはフォローアップに努めるようにした。おかげで自分のキャラクターが定まっていないし、何なら意見の摩擦を恐れずに進言してしまうから嫌われることもある。

でも、「目的を達成する」ことを傍に置いて、ヘラヘラと笑っていることはどうしてもできない。それを諦めたら、たぶんそれは僕じゃなくなってしまう。

偉そうに言っているけれど、その精度はまだまだ十分ではない。芯を外してしまうことだってある。でも、ちょっとずつ中心に向けて駒は進めているつもりだ。

付加価値。

コツコツ積み上げていくことで、いい仕事に繋げていきたい。

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