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「パートナー」という言葉で、尋ねる。

最近、相手の夫(妻)について尋ねる際に、「パートナー」という言葉を使っている。最近、と書いたが、少なくとも2023年に入ってからずっと「パートナー」と使っている。

奥さんも、旦那さんも、ご主人も、彼氏も、彼女も。それに類する言葉も、ほとんど使っていない。

この辺りの呼称は、世の中で散々議論されてきている。けれど、一番使い勝手が良いのが「パートナー」なのではないか。そう感じている。

使い勝手、と聞くと無味乾燥な意味合いがあるけれど、例えば「○○さんの奥さんは、普段どんな仕事をしているんですか?」と聞くとき、前提として、

・相手のパートナーは女性である
・相手はすでに結婚をしている

という意味が込められているように思う。

でも実際は、同性婚であるケースもあれば、事情があって籍を入れていないケースもあるだろう。

そういったときに「奥さん」という言葉は、果たして適切なのだろうか。聞く立場の人間が、諸事情を「知らない」からといって、どんな呼称でも構わないというのは、ちょっと乱暴ではないのかと思うのだ。

ただ、仮に相手のことを知っていたとして。

その場合でも「パートナー」という表現が、なんだかんだしっくりくるように思う。パートナーという言葉には、その関係性の深さと一線を画した、フラットなイメージを相手に持ってもらうことができる。若い世代を中心に「相方」という言葉が一時期流行していたが(今も?)、やはり「相方」というと、どことなく世代というか、ちょっとした情緒のようなものが見える気がするのだ。

そういう意味でいうと、果たして「パートナー」という言葉がフラットかというと、そうでもないだろう。ちょっとリベラルというか、そういった呼称に対して意識が高いような印象を与えるかもしれない。

でも、どんな状況においても、とりあえず「パートナー」という言葉を使うことによって、「パートナー」という言葉が、自分の中でわりとしっくりくるようになってきたのも事実だ。相手がどう思うか、ではなく、自分がしっくりくるかという基準において、「パートナー」という言葉は徐々に身についてきた言葉だといえる。正直、最初はちょっと、むず痒かった。

人によっては、婚姻関係がある状態だとしても、別のパートナーがいる可能性もあろう。それはそれで、当人同士の問題だし、当人の価値観だし、立ち入って善悪を問うようなものでもない。でも、そのパートナーの存在がその人にとって大きいようであれば、(もちろんどういう状況かにもよるが)聞き手として、パートナーの存在の大きさについて尋ねなければならないだろう。

言葉には正解もない。言葉狩りをするつもりも、「あるべき」を押しつけるつもりもない。

でも、その時々で、しっくりくる表現というのを探っていたい。ちょっとでも違和感があったら、その正体を突き詰め、正しい方向へと微修正したいとうのが、僕の本望だ。ちっぽけな本望だと笑われるかもしれないが、それがまた、僕の在り方なのだから仕方ない。

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