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『知的生産の技術』を読み返す


【はじめに】

1969年(昭和44年)に出版された『知的生産の技術』
当時は、情報を記録•管理する道具としては、パンチカードや穿孔テープ。
そして、タイプライターが主流だったと思われます。
現代は、パソコンやスマホと言った電子機器があり、とりわけ検索機能は格段に進歩してきた。
そんな中にあって、今なお『知的生産の技術』が読まれ続けている理由は、何だろう・・・
時代や技術力が違っても、大事な共通項があるのでは!?
そんな事を、思いながら読み返してみる。

『知的生産の技術』梅棹忠夫 著
1969年7月21日 第1刷
岩波新書(青版)722

【今の時代に読み返す】

半世紀前に出版された本を読むことで、私たちはその当時や、今の時代の技術を俯瞰して見る事が出来るだろう。

限界はあるにせよ、あえて現在から離れ、時代や技術によって左右されにくい視点を時々得ることは、流行りに流されない冷静さを取り戻す上で時々してみるのも良いんじゃないか。

【「読書百遍」と云う言葉】

【読書百遍】については、本の124ページに書かれています。

むかしから【読書百遍】意おのずかつうずなどと云う。

それは、昔のように読む本が少なかった時代のこと。
今日(こんにち)のように、本を沢山読まなくてはならない時代にあっては、1冊の本を何度も読む(読み返す)と云う事は、事実上出来はしない。
しかし、何度も読む事で理解が進むことは事実です。

また、一度読んだ本を寝かせて違う時に改めて読み返す。
そうする事で、新たな気づきがある事がある。

【ダーマトグラフと付箋】

本を読む時に便利なツールのひとつにダーマトグラフがあります。
芯が減ってきた時に、紙を1段クルクルと剥けば、新しい芯が現れる。
鉛筆削りなど使わなくてもいいので便利です。
芯が太いので上から下まで(横線も同様) 一度にスーと引くだけで塗る事が出来る。
マーカーのように裏写りもしない。
もう一つは、付箋。
半透明の付箋が本文を隠さないので、重宝します。

注) 改版 p.120にダーマトグラフについての記述があります。

ダーマトグラフと半透明の付箋

【情報革命の歴史 wikipedia】

【パンチカードからCUIの時代】

【梅棹忠夫 wikipedia】

【ブックレビュー】

【知的生産の七つ道具】

① フィールド・ノート
② ローマ字カード
③ B6判カード(京大型カード)
④ こざね
⑤ 1枚1項目カード
⑥ アドレス・カード
⑦ スケッチや写真

『考える人』新潮社 2011年夏号
p.28 知的生産の七つ道具道にみる思想より

カードとそのつかいかた
第94刷 改版より
本文 pp.55〜71.に詳しく書かれています。

きりぬきと規格化
第94刷 改版より
本文pp.73〜87.に情報を整理する方法が書かれています。

整理と事務 
第94刷 改版より
本文pp.89〜107.より
整理:必要なモノが必要な時に すぐ取り出せる
整頓:見た目キレイに片付ける

【加筆】読書百遍『知的生産の技術』

お仕着せの既製品を 騙し騙し(だましだまし)使うのか、いっそ 自分の必要に合わせて道具や技術を こしらえるのか。
『知的生産の技術』の最大の教えは そこにある。
『考える人』新潮社 2011年夏号
梅棹忠夫の10冊 p.93 より

【おわりに】

社会的•文化的条件は、これからまだまだ目まぐるしく変わるだろう。
それに応じて知的生産の技術システムも、大きく変わるに違いない。
ただ、その場合にも、ここに(この本に)提示したような考え方と方法ならば、十分に適応が可能と思うが、どうだろうか。p.236

デジタル版に改版された『知的生産の技術』(左)
生誕100年を機に出版された『知的生産の技術』(右)

2024.05.23.
2024.05.24. 加筆