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I LOVE ME

 鬱気味になっていた数年を除くと、なんとなくずっと自分のことが好きなまま生きてきている。自分の創作活動も自分の容姿もその他諸々も、なんとなく好きで気に入っている。こういう状態をI LOVE MEと言うらしい。
 ただ、私の場合はそんなわざわざ横文字にする必要はなくて、多分シンプルに自惚れてるだけだと思う。
 そもそも私が疑問なのは、なぜそんなに他人の意見を聞いて、自分の価値観を客観的に正しいものにしようとしたがるのか。一回美術館行ったら「美しさ」がいかに掴みどころのないものかなんてすぐにわかることやん。だから「橋本○奈は不細工である」って主張を誰かがしてて反論しようとしても、この世の誰も橋本○奈はなぜ不細工でないのかなんて説明できないでしょ。だからそんな、ふわっとしてて曖昧で、もわ〜っとした煙みたいに無限に広がっていくそれを、なんで自分の味方にせずに自分を苦しめる材料にするんやろってのが、本当に謎。いらんこと言わない。口は災いのもと。口に出したらどうせつまらん他人から(真偽はともかく)“客観的な意見”を聞かされるんやから、内心の自由を行使して黙って自惚れておけばメンタルヘルスに良いと思う。そういう考えで生きてたらこの前読んだ三島由紀夫の『不道徳教育論講座』に同じこと書いてて面白かった。同じ根拠のない妄想なら自分をさげる内容よりあげる内容の方が楽しいし、爆発させるなら卑屈より自惚れの方が無害でしょ。しかも自惚れを自覚しながら自惚れてる人が一番強いと私は直感している。
 人よ、自惚れよ。自惚れは無料で手に入る心の栄養。なんか明るくて元気になる無敵の鎧。
 だから私、私のことめっちゃ気に入っている。最初の方でなんとなくとかいったけど、ちょっと控えめに言ってた。正直自分のことめっちゃ好き。だから、自分が選んだものも好き。自分が作ったものも好き。「誰に好かれなくても…」とか、そういうのは違う。そもそも「誰に」ってのが私の人生にはない。私の人生は私が選んだ好きなものと一緒に積み重ねていく。好きなもののこと考えてる時が世界で一番楽しいんだなあ。

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