堀口切子 Horiguchi Kiriko

「堀口切子」は江戸切子の制作、プロデュースを手掛ける職人集団です。

堀口切子 Horiguchi Kiriko

「堀口切子」は江戸切子の制作、プロデュースを手掛ける職人集団です。

マガジン

最近の記事

小林菊一郎 Kikuichiro Kobayashi

大橋徳松とともに近代の切子職人を代表する1人とされているのが、堀口硝子の創業者・堀口市雄の師匠でもある小林菊一郎です。明治29年に、群馬の材木屋の末っ子として誕生。その後、明治41年に上京すると、大橋の最初の内弟子となりました。厳しい修業に耐えて年季を勤めあげた小林は、大正末頃には岩城硝子からのれんを分け与えられ、切子屋として独立。一時は、師匠の大橋と岩城内の加工場に並んで腕を競い合ったほど、レベルの高い優れたカットグラスを数多く生み出しました。 実力を見込まれた小林は、岩

    • 大橋徳松 Tokumatsu Ohashi

      近代切子界において大御所の一人であり、"職人中の職人"と称されているのが大橋徳松です。明治6年に、岐阜の大垣で農家の7人兄弟の長男として生まれ、大阪に出たのちに上京。その後、品川硝子の切子場に伝習生として入所します。当時は、若い仲間たちと一緒に切子の腕を磨くだけでなく、英国から来日したガラス製造分野の専門技師エマニュエル・ホープトマンの下で学んで技術を身に着けました。 日清戦争に従軍したのち、大橋は硝子関係の事業を三度も立ち上げますが、カットグラスの普及がいまよりも一般的で

      • イーラル プルミエ EraL PREMIER

        美容室専売ヘアケア化粧品ブランドイーラルの最高峰ブランド「イーラル プルミエ」のパッケージデザインを監修させていただきました。豊かな黒髪の光と影を思わせ、美のエレメンツを束ねる新生プルミエをシンボライズするデザインは、三代秀石ラインナップ「束」のカットパターンをモチーフにしています。 We developed packaging design for exclusive salon haircare brand EraL’s top-of-the-line range, E

        • 丁稚(でっち)くん Our Helpful apprentice

          堀口切子では、日々小まめに掃除をして、工場であるホワイトベースを綺麗に保っています。 それは、働く職場の環境が我々に影響を与え、強いては我々が生み出すモノにまで影響を与えると考えるからです。 スタッフがそれぞれ掃除をするのはもちろんですが、実はそれを手伝ってくれる、強力な助っ人がいます。 それが丁稚(でっち)くんです。 お掃除ロボットのでっちくんは、居場所と電気、定期的に汚れを拭き取るなどのケアを与えてることで、一生懸命掃除をしてくれます。 今では堀口切子の大切な仲間です。

        小林菊一郎 Kikuichiro Kobayashi

        マガジン

        • 堀口切子 PEOPLE
          8本
        • 堀口切子 PROJECT
          16本
        • 堀口切子 ABOUT
          4本
        • 堀口切子 CONCEPT
          5本

        記事

          エマニュエル・ホープトマン Emanuel Hauptmann

          「江戸切子」と言えば日本の伝統工芸ですが、意外なことにルーツのひとつは英国とされています。そのきっかけとなったのは、明治の維新政府から技術指導の要請を受けて1874年から1881年にかけて来日したガラス製造分野の専門技師である4人の英国人たち。彼らによってカットグラスの技術が日本に伝えられ、江戸切子は大きく発展しました。メンバーの1人が加工のプロフェッショナルであり、のちに“江戸切子の父”と呼ばれるようになったエマニュエル・ホープトマンです。 1848年に、ボヘミアガラスで

          エマニュエル・ホープトマン Emanuel Hauptmann

          ガチャガチャ Capsule Toy Machine “Gacha Gacha”

          「真剣にやれよ!仕事じゃねぇんだぞ!」タモリさんの有名な言葉ですよね。ガチャガチャの制作は、仕事でありながら、仕事ではないような気持ちで取り組みました。(笑) でもこれはある意味、すごく堀口切子らしいとも言えます。 カプセルには、堀口切子の代表作で、レギュラーとしても販売している、菊花文のぐい呑が入っています。通常色6色と、シークレットカラーの一色の中から、いずれか一つが出てくる仕組みです。ガチャガチャの実現に向けて、ディスプレイ用紙をデザイナーさんに依頼したり、カプセルの

          ガチャガチャ Capsule Toy Machine “Gacha Gacha”

          堀口切子が今までワイングラスを作ってこなかった本当の理由

          堀口切子のワインコップは、イタリアでよく目にする、背が低く心地のいい重みがある、ワイン用のコップをもとに作られています。 イタリアンレストラン「Table D’Hote」を経営する日暮勝秋さんは、イタリアの「Trattoria Sostanza」で出会ったワインコップに魅了されました。背の高いワイングラスに比べ、「ワイン本来の味」が引き出されているように感じたと言います。また、大衆食堂のような居心地のいいお店には、実用性が高く、カジュアルなコップがマッチしていました。 日

          堀口切子が今までワイングラスを作ってこなかった本当の理由

          CASIO OCEANUS Manta

          「TOKYO DESIGN」をコンセプトに、サファイアガラスベゼルに千筋文様を不連続なパターンでアレンジ、施しました。デザインは、朝日が水面に反射する、東京の夜明けを表現しています。腕時計のサファイヤガラスに江戸切子が採用されたのは世界初。 Horiguchi Kiriko worked closely with Casio’s designers to produce a limited number of sapphire crystal bezels for thei

          LEXUS NEW TAKUMI PROJECT 2017

          LEXUSが「地方創生」をテーマに、日本のモノづくりをサポートするプロジェクト。作ったのは、ジュエリーとして身につける江戸切子「KIRIKO JEWELLERY」。京都のテーラー、東京の石留め職人、金属メーカーに力を借り、「江戸切子の中で選ばれるジュエリーではなく、ジュエリーの中で選ばれる江戸切子」を目指しました。 Undeniably stylish and unquestionably luxurious, these exquisite cufflinks were

          LEXUS NEW TAKUMI PROJECT 2017

          日本料理 龍吟 Ryugin / Japanese Restaurant

          富士の水をお客様に提供する用途のためだけのウォーターボトルです。雲から降り落ちた雨粒が富士の地層深くに浸透し、ミネラルを豊富に含んだ美味しい水へと変化していく様をモチーフとしたデザインで、サーブする際の姿を美しく見せるため、ボトル自体は自立しない構造のデザイン。昇り龍をイメージした専用のケース付き。 This water bottle is only used to serve water of Mt. Fuji. The design illustrates the jo

          日本料理 龍吟 Ryugin / Japanese Restaurant

          東急プラザ銀座 キリコラウンジ照明

          広い空間の中で見た印象と、間近で見るときの印象を変える仕掛けを施した照明です。遠目からは切子がレースのように見え、緻密な精度で仕上げた「隠し籠目」は、気づいた方が少しハッピーな気持ちを心の中に灯す遊び心です。 Lights for Kiriko Lounge / Tokyo Plaza Ginza The look and feel of these lights get altered at different distances. In distance, the im

          東急プラザ銀座 キリコラウンジ照明

          アサヒ 六条麦茶 Design direction

          「アサヒ 六条麦茶」のオリジナルペットボトルデザインを監修させていただきました。4種のデザインには、子供の成長を願う「麻の葉文」、子孫繁栄を願う「魚子文」、家族で幸せを囲む「八角籠目文」、喜びが長く続くようにと願う「菊籠目文」があります。六条大麦も切子で可愛く表現されています。2016年度グッドデザイン賞受賞。 Japanese Wheat Tea. Asahi Toru was commissioned to manage the overall design direc

          アサヒ 六条麦茶 Design direction

          グランドプリンスホテル新高輪 もみじラウンジ

          冠となるもみじをモチーフにした照明です。有機的なイメージを表現するため、切子の深さや幅をわからない程度に敢えてバラつきをもたせ、複雑な印象を与える構造に仕上げています。 Momiji Lounge / Grand Prince Hotel, Shin-Takanawa The motif of this lighting is maple (Momiji in Japanese) which is the name of this lounge. In order to b

          グランドプリンスホテル新高輪 もみじラウンジ

          JAM HOME MADE × HORIGUCHI KIRIKO

          JAM HOME MADEとのコラボレーションでJAM瓶とペアリングを作製しました。幸せを籠むことを意味する「八角籠目文」を施し、このリングをペアで身につけている恋人同士は“幸せを籠み、幸せを逃がさない”という意味を込めています。 In collaboration with JAM HOME MADE, Toru crafted pair rings. He picked one of the traditional patterns that represents ‘ge

          JAM HOME MADE × HORIGUCHI KIRIKO

          BRANZ THE HOUSE 一番町 サロン

          高級レジデンスのサロンに配されたオブジェです。住人の動線からの視線を考えながら、日常のふとした時に気づく些細な変化。硝子には奇を衒うこともなく伝統的な文様を切り、アルミ素材のフレームを合わすことによりアバンギャルドな印象を与えています。 Salon object for BRANZ THE HOUSE 1st District HORIGUCHIKIRIKO crafted this art object for the salon of this high-end res

          BRANZ THE HOUSE 一番町 サロン

          Cut-Glass Accents

          その昔、英国からの指導を仰いだ、日本のカットグラス技術は、日本文化の中で江戸切子となりました。2015年、神戸にあるミシュラン二つ星の料理屋植むらさんとともに、在英国日本国大使館にて「Cut-Glass Accents」と題したインスタレーションを行いました。「対話をしながら生み出す器」をテーマに、「涼しげな器」「彩りの器」「育む器」という3つの作品を展示しました。 Cut-glass production already existed in Japan but sign