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わたしは、 おねえちゃん。

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幼いながらにお姉ちゃんしていた私と、小さな妹の思い出エッセイ。
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ヒゲが濃い。

ヒゲが濃い。

それは男の人だけの悩みではない。実は、私が濃い。放っておくとすぐに鼻の下がふっさりしてしまう。

それを剃るため、幼い頃、母によく台所へ呼ばれた。私の前にしゃがみこみ、

「ンーっ、てして」

と、内側から舌を押し当て、鼻の下を膨らませるよう指示してくる。小さい私の顔に、カミソリが当てづらかったせいだろう。

「はい、今度はこっちをンー」

その時の母のまぬけ顔も、ジョッジョッと肌を伝わってくる刃

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「姉性本能」

「姉性本能」

とでも呼べばいいだろうか。幼い頃の私は「お姉ちゃんとは、自分が犠牲になってでも妹を守らなくてはいけないものだ」と信じていた。

そういう美談をよく、ニュースやドラマの中で見てきたせいもあるだろう。

例えば、川で溺れかけた妹を助けようとして自分が命を落としてしまったお姉ちゃん。家に押し入った強盗に向かって「妹は助けて!私はどうなってもいいから」と叫ぶお姉ちゃん。

大好きだったアニメ『ちびまる子ち

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