7月に営業利益をプラスに戻せた企業で行ったこと
地方都市にて幅広い業態で飲食事業を展開される年商20億円強のご支援先では、7月にやっと営業利益ベースにプラスに転じました。
こちらもコロナの影響は非常に大きく、3月4月は昨対で5割〜6割ダウンに。
幸い夜の居酒屋業態の売上構成比は低かったので全体の落ち込みとしてはマシではありましたが、営業利益は大赤字ですしキャッシュの流出も非常に多く。
取り急ぎ、向こう1年分の資金調達を行い、既存店の活性化として何ができるか?ここに注力して実行を進めていきました。
その結果、7月は昨対で1割ダウンにまで抑えることができたため、損益分岐点を下げる取り組みも重なり営業利益を久々にプラスで着地させられました。
具体的に行ったことは、テイクアウトとデリバリー。言ってしまえばたったこれだけです。ただ、これをイートインに付加発想の片手間ではなく、徹底度にやり切りました。
まず、たてた目標は「前年売上に対して3割を店外売上にする」というもの。
そのために行ったのが下記となります。
①商品に関して
■商品MDの見直し
イートインとテイクアウトで売れるものは異なりますが、どうしてもお店で販売しているものの横展開にしがち。もちろんそのアイテムは残しつつ、同業態で店外売上で売っている企業の商品MDを予算帯別・カテゴリ別で分析。
その結果、自分たちが強化していなかったカテゴリと予算に売筋がある事を発見。そこの商品開発を行い、かつ競合よりもアイテム数を有することで品揃えでの一番化を達成。
同商圏におけるテイクアウト・デリバリーにおいては、味以外の面で競合に頼む必要性を無くすように準備しました。
■提供時間の見直し
イートインと店外売上のピークタイムは被ります。提供時間がかかると、店内のお客様はイライラしますし、もちろんテイクアウト・デリバリーのお客様も同様。
そのため、店外売上を作る商品の提供時間は5分(最短目標は3分)で設計。幸い、こちらの企業の厨房キャパは大きいこともあり、そこはクリアすることができました。
商品として、「とりあえず店のものを」発想をやめ、店外売上作りに合うもので設計したのが大きかったです。
②接客力
■お届け時間の最適化
これはデリバリーに関してなのですが、「注文後60分で届きます」このような表現はやりがちですが、もち企業さんに勤めている人のランチを狙うとしたら、お昼休憩に間に合わないですよね?
ターゲットとして、ファミリーを狙うのであれば問題ないですが、こちらは幅広い客層をターゲットにしたこともあり、60分では厳しい状況。
そのため、「最短30分〜」でお届けすることを表題に事業設計。
幸い、上述のように商品提供は5分で可能です。そこから20分くらいで届けるようにはどうするか?ここの商圏設計と、配送へスムーズな受け渡しを準備しました。
■決済方法の拡充
非接触決済はニーズありますが、それでも国内においては現金派がまだまだ主流。そのため、現金・クレジット・QR決済など幅広く準備しておき、お客様の決済での取りこぼしを無くしました。
■注文方法の拡充
電話オーダーがまだ主流ですが、モバイルペイメントもしっかりと準備。あとは最近在宅が多い傾向もあるため、モバイル・ウェブの両軸をしっかりと最適化。それにより、どのデバイスでも注文率を高めることができたのが大きかったです。
③販促力
■物量戦略
これは強化当初からですが、生活様式が変わったとしてもお客様にとっての情報が足りているか?この視点で見ると足りていないと判断しました。
そのため、圧倒的な物量で「ポスティング」「リスティング」を強化しました。
もちろんこのご時世ですので、販促をすることでネガティブなお声があったのも事実です。しかし、そこでの機会損失の方が大きいと判断し、一気に販促を行いました。
④まとめ
上記により結果として、店外売上は前年比で4倍近く伸びました。前年の売上構成比として3割まではまだ行っていませんが、2割強の補填にはつながりました。
まだまだ店内の落ち込みは解消できていませんが、通常の2割の売上補填が店外売上でできたため、7月は営業利益としてプラスに転じたという次第です。
次のチャレンジは、今回得た顧客名簿に対しての新規事業の付加です。ここもしっかりと準備を行っていき、コロナ前よりも業績を伸ばせる体制にしていければと思います。
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