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売上獲得の源泉「回収エンジン」の3類型


収益モデルの構成要素


こんにちわ。NEWh 堀です。
今回は売上獲得の源泉をどこに据えるのかと向き合う「回収エンジン」というものと向き合ってみました。

事業における収入側の構造は「収益モデル」は「回収エンジン」と「料金モデル」によって規定される。
つまりは、
「何を売上獲得の源泉」とし、「どのようにして対価を回収するのか。」

収益モデルの構成要素


この2つの構成要素のうち、料金モデルについては、前回こちらの記事でもちょっと書いてみた。


今回はもう一つの要素である「回収エンジン」について考えてみた。
事業において売上を獲得する源泉である「回収エンジン」
ここもまた深いテーマ。


顧客に対して提供している価値自体が回収エンジンとなることもあれば、それ以外のところで回収エンジンを据えているようなパターンもある。例えば、公園や空き地などで紙芝居を子供達に見せてあげる紙芝居屋さんをイメージしてみると(もう最近はいないだろうけど)、彼らは子供達に紙芝居を通じて「ドキドキやワクワク」を提供してる。だけど子供から紙芝居を見るための料金はとってなくて、駄菓子やジュースを販売してたらしい。事業における提供価値と回収エンジンとなる源泉は違うこともある。


回収エンジンの3パターン


色々ある、のは分かった時に、
じゃあ回収エンジンってどう考えるべきなのか、を考えてみると
回収エンジンというのは突き詰めると実は3パターンしかないのかもしれないと思い、分類してみた。

回収エンジンの3パターン


回収エンジンの1つ目「提供価値エンジン」


1つ目の提供価値エンジンとは、言葉の通り自らの事業において向き合っている顧客自体が支払い主体となり、顧客に対して提供している価値がそのまま回収エンジンと据えるようなパターン。
ビジネスモデルにおける幹となる「顧客」「課題」「手法」「価値」によって規定されるコンセプトがあった際に、提供価値が回収エンジンとなり、それを向き合っている顧客から,料金モデルを通じて、対価を得る。
紙芝居屋をイメージし、「友達と一緒のドキドキ/ワクワク」を回収エンジンに据えてみると、「紙芝居の参加料金」とか「最前列の有料チケット」とか、あるいは、ドキドキワクワクをより高めてくれるような「パンフレット販売」もこのモデルに内包されそう。

回収エンジンのパターン1:提供価値エンジン



回収エンジンの2つ目「隣接課題エンジン」


2つ目は「隣接課題エンジン」。
コンセプトが向き合っている顧客は変えず、回収エンジンとなる価値や向き合う課題をズラすことで、売上の獲得を目指すパターン。そもそもの提供価値自体はとても魅力的で人を惹きつける力はあるけど、そこに対してお金を払うかと言われるとそれはちょっと・・というケースはよくあるので、そういう時はこのエンジンを考える必要があるのかもしれない。
紙芝居屋さんにおける駄菓子販売はまさにこのパターン。
紙芝居という娯楽の領域ではなく、食/おやつの領域に課題と価値をずらし、
回収エンジンを作り出しているような。。紙芝居見てるとお腹空くから・・。
あくまで顧客は変えない。回収エンジンとなる価値を変える。

回収エンジンのパターン2:隣接課題エンジン


回収エンジンの3つ目「アセットエンジン」

3パターン目はアセットエンジン。
これは結構ずらしてるパターン。起点とするコンセプトではなく、コンセプトと事業活動を通じて得られるアセット、蓄積されるものを活かし、新たな顧客への新たなコンセプトを描き、そちら側で回収エンジン、および売上獲得を目指すパターン。
紙芝居屋のケースを続けると、公園で紙芝居を提供していると、紙芝居を聞きにくる子供たち自体が事業活動を通じて蓄積されていくもの。続ければ続けるとリピートも増えて見に来てくれる子供たちも増えてくれる(はず)
「子供達が集まっている」というアセットを活かせば、例えば、子供向け教育サービスを展開している企業に対して、子ども向けに直接情報を伝えることができるメディア事業などに繋がり、そちらが回収エンジンとして成立するかもしれない。(もちろん公園で数人を集めている規模では難しいけど)

回収エンジンのパターン3:アセットエンジン。


事業活動を通じて蓄積されるものはユーザーの規模に限らず、何かしらのデータもあるだろうし、オペレーションの習熟とかもあるはず。色々広がる世界かもしれない。



回収エンジンのデザイン

回収エンジンの分類/パターンを書いてみたけど、いずれも共通するのは回収エンジンには当然、お金を払ってでも欲しい、解決したいというパワーが、そもそも課題や価値には宿っている。逆に言えば宿っていなければ回収エンジンとして成立しない。

事業開発界隈でよく言われるnice to have 、must haveの違いにも近い。
あったらいいよね、だと人は集まるし、使ってくれるかもしれないけどそれは回収エンジンとしては弱く、売上の獲得には繋がらないかもしれない。
だからこそ、
向き合うべき課題や価値は(当然だけど)支払いを伴うほどの強いものにしておきたい。

もう一点、
初期の事業構想において回収エンジンを複数描き、収入源がいっぱいあるような構想もたまにあるけど、個人的には色々な回収エンジンを描くのは良い側面も理解しつつも、
「源泉」という言葉の通り、
強く太いエンジンを一つ見極め、突き詰める方が大事な気がしてたりもする。
つまり、「あなたの事業において、売上獲得の源泉は何か?」は一言で答えたい。


今回は軽めですが、ここまで。
3つのパターンはあくまで大元の、最も大きな分類として。
多分、それぞれの中においてさらに細分化されるような気もしてる。

こちらも継続思考テーマとして、引き続き向き合ってみる!





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