日記 23/1/5-1/10

やっぱり日記を書こうと思ったのは去年の暮れに観た「ケイコ 目を澄ませて」が素晴らしくて、その中で日記がとても印象的に使われていたからだった。それに日記を書くことで自分の生活を反射して、だらだらしがちなところを少しでも改善出来たりしないかなぁなんて思ったからでもある。
なにも自分の日常を余すことなく書く必要なんてなくて、むしろ演技や演劇に繋がることだけ書いていこう。
なんとかかんとか自分を俳優たらしめるために日記を書こう。
そしてついつい長く書いてしまいがちな僕だけど、それが続くときつくなってくると知っているから、「極力短く書く」というのを目標にしよう。

1月5日(木)

今日から新年本格スタート!という気持ちなのは、昨日新日本プロレスの「レッスルキングダム」を観に行ったからなのか。プロレスファンとしてはやっぱり1.4東京ドームが初詣な気持ち。しかしケニーvsオスプレイの試合が凄すぎて、一夜経っても頭の中で反芻してしまう。
今日もまたお昼過ぎに起きて、「ハバナ観光案内」と「チャマーコ」の台本を前半だけ読む。
夕方からはDUGで働き、行き帰りの電車の中では「蜘蛛女のキス」を読み進める。「蜘蛛女のキス」、二部構成の第一部まで読み終わったけど、どんどん面白くなってきてて素敵。
帰宅してからは、ハバナクラブ7年を飲みながら、「チャマーコ」の後半を読む。劇中で何度かラム酒に言及される芝居だから、ラムを飲みながら読むのは何だか良い。普段家ではウィスキーを飲んでることが多いのだけど、この「チャマーコ」期間はラムを飲む。気分の問題。そして本稽古開始までまだ3週間以上ある今は、特定のシーンとか役とかにフォーカスせず、とにかく丸ごと飲み込むように読んでみる。っていうのを試している。
劇中の会話に出てくる映画「アメリカン・ビューティー」は観なおしておこう。繋がる質感がある気がしている。それからハバナの空気を吸うために「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」もまた観ようかな。

今日はジョエル・ロスの「Who Are You?」を聴いた。

1月6日(金)

今日も12時過ぎに起床。
15時から下北沢でやみ・あがりシアターを観る。主宰で作・演出の笠浦とは10年以上前から知り合いだけど、初めてその作品を観ることが出来た。面白かったな。ヘンテコさとスマートさのバランスが素敵だなぁと思いながら観ていた。
観劇後はせっかく下北沢に来たのだからとボーナストラックに寄って本屋B&Bをざざーっと眺め、本当はせっかく下北沢に来たのだからトロワ・シャンブルにも寄りたかったけどそれは諦め、池袋のグローバルリングカフェでコーヒーを飲みながらストーブにあたりながら、zoomでちょっと先の舞台に関する話をする。
それからは家に帰って有言実行の「アメリカン・ビューティー」鑑賞!と行きたかったところだけど、どうやらDUGで欠員が出たらしく、僕は舞台でいなくなることが多くてその点めちゃくちゃ融通を効かせてもらっているし、ならばせめてこういう時役に立たねば、と出勤。ほとんど締め作業を手伝いに行ったようなものだから、勤務中は大体グラスを洗うか拭くかしていた。
相変わらず移動中の電車の中では「蜘蛛女のキス」を読む。これ確かに舞台で観ても面白そうだなぁと思いながら。
そういえば今日はコインランドリーにも行った。去年の秋に洗濯機が壊れてからというもののコインランドリー生活。コインランドリーという場所が僕はなんだか嫌いじゃない。去年読んだルシア・ベルリンの小説を思い出すってのも一つの理由かも。洗濯が終わるのを待ちながら「チャマーコ」の前半を読む。
そして今からハバナクラブ7年を飲みながら、後半を読むつもり。それが終わったら寝る。

今日はジョエル・ロスの「The Parable Of The Poet」とマカヤ・マクレイヴンの「In These Times」を聴いた。

1月8日(日)

昨日、今日は、DUGで働き、飲み、食べ、話し、そしてまたDUGで働く、という時間だった。
「チャマーコ」に触れることは出来なかったけど、だからといって後悔しているわけじゃない。でも明日からの一週間は毎日しっかり台本を読んでいかなきゃなと思う。
今日のDUGで舐達麻がキース・ジャレットをサンプリングしていると聞き、舐達麻に対して大麻が好きなオラオラした人たちってイメージしかなかった僕はそのことに驚き、そして家に帰ってからspotifyで何曲か聴いてみた。良かった。「大麻が好きなオラオラした人たち」なのは確かにそうだけど知性も感じられて、その曲には美しさもあった。そして経歴の壮絶さも印象に残った。
移動中の電車の中では相変わらず「蜘蛛女のキス」を読む。明日か遅くとも明後日には読み終わりそう。

昨日はマカヤ・マクレイヴンの「Deciphering The Message」、今日は同じくマカヤ・マクレイヴンの「We’re New Again」を聴いた。

1月9日(月)

12時過ぎに起きる。今日もDUGで働く日だったけど、出かける前に「チャマーコ」を前半だけ読む。
移動中は「蜘蛛女のキス」。この小説、ほぼ全編囚人二人の会話だけという変わった形式なんだけど(地の文もない)、その二人の関係がどんどん濃密になりグッとくる。家に帰ってからも読んで、そして読み切る。素敵な作品だった。
それからハバナクラブを飲みながら「チャマーコ」の後半も読む。

今日は舐達麻の「GODBREATH BUDDHACESS」を聴いた。リリックが切実で、リアルで、そしてトラックが美しい。舐達麻のメンバーたちがまだ成人する前に、金庫破りをして警察に追われ、結果交通事故を起こしてメンバーの一人が亡くなるという事件があったのが2009年の6月3日らしく、リリックの中にその日付が出てきて、それが僕の誕生日なものだから、なんだか妙に死というもののことを考えてしまった。当たり前のことだけど、僕の誕生日に亡くなる人たちも大勢いる。
寝る前にラップと大麻に捧げきる舐達麻の生き方のことを考えていて、ふと本棚にある「さよならバードランド」を手に取る。モダンジャズ黄金時代に活動していたジャズ・ベーシストであるビル・クロウの回想録。ジャズマン(たち)の生き方はどうなんだろうだろうなと思って。彼らも相当無茶苦茶な気もするけど。

1月10日(火)

安定の12時起き。
今日は池袋でナショナル・シアター・ライブ「レオポルトシュタット」を観た。トム・ストッパードが自身のユダヤルーツを意識して、19世紀末から20世紀中頃までのウィーンを舞台に、とあるユダヤ系の家族を描いた作品で、僕は去年上演された新国立劇場でのバージョンも観ている。登場人物がとても多い作品なんだけど、さすがに二回目だからかある程度整理して観れた。それでも「あれ? 君は誰の子供?」ってことが多々あったけど。トム・ストッパードの作品は以前「アルカディア」をWSで取り扱ったんだけど、その時読めば読むほど発見があって面白くなっていくって経験をした。「レオポルトシュタット」もきっとそういう作品な気がする。もちろん今日のNTLも面白かったんだけど、でもまだまだ全然旨味を味わいきれてない感じはする。
深夜の日課で今日も「チャマーコ」を読む。でも最後の方は少し眠くなってしまった。ラムを飲み過ぎたかもしれない。そろそろ全体を丸呑みするのではなく、細かくバリバリと噛み砕いていくべきかもしれない。
「さよならバードランド」もほんの少しだけ読んだ。

今日はセシル・マクローリン・サルヴァントの「Ghost Song」を聴いた。

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