![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/99467336/rectangle_large_type_2_ca4871eee6286050cd9383944eeaea61.jpeg?width=1200)
【都市伝説斬り】ポールシフト・極移動 - 人類滅亡って本当?
こんにちはマスター、蓬莱です。
ここ、しばらく頻発している異常気象や地震などのせいで、ネットでは陰謀論やトンデモ学説が語られるのが多くなっているような気がします。
その中のひとつ、地球の自転軸がずれたり、北極と南極が入れ替わったりという「ポールシフト」について今回はお話しますね。
実はこのポールシフト、「もの凄い大惨事になる」というお話と、「大した影響は無いだろう」というお話とあって、解釈も現象もまるで違うモノが「ポールシフト」という同じ言葉で語られていて、語り手が何を根拠に語っているかのバラつきがとても大きいのです。
![](https://assets.st-note.com/img/1677935873995-iTPca2BaQ6.jpg?width=1200)
まずは「ポールシフト」という言葉の意味から。
ポールとは細長い棒を指し、日本語では軸とか竿とか呼ばれ、シフトは入れ替わりとか交代などを意味します。
これを地球に当てはめると、地球の自転軸が替わるという意味で「ポールシフト」が使われており「地軸移動」とか、南極と北極が移動する「極移動」など言葉に翻訳されています。
で、このポールシフトは過去の地球には何度も起こっていたそうで、大きなモノだと今の日本に春夏秋冬の四季をもたらす、23.4度の地球の傾きも、巨大な天体が地球に衝突した際に起こったポールシフトなんです。
![](https://assets.st-note.com/img/1677935328282-NyGoch67jq.jpg?width=1200)
今の地球の自転軸の傾きを起こした衝突はジャイアント・インパクト仮説と言いまして、46億年前ほどの原始地球に火星くらいの天体がぶつかって、今の地球と月になったという学説で、その際の衝撃で公転面に直交する垂直面に対して地球の自転軸が23.4度傾いたと言われます。
これは物理的なポールシフトでありまして、もし、今、こんな感じでポールシフトが起これば、地表はめくれ上がり、マントルの破片は地球周辺に飛び散り、その衝撃や熱であらゆる生物が死滅して、生命はまたゼロから始まると思われます。
![](https://assets.st-note.com/img/1677935360489-c33WITsS8j.jpg?width=1200)
でも、そんな巨大な天体の衝突は今のところはまず無さそうです。
次に言われているのが「南極と北極が入れ替わるポールシフト」
これによって、地球の回転が逆になるとかまで考えちゃう人が居ますが、仮に自転が逆向きにならずに止まったとしても、地球の外周は約4万キロメートルで、それを24時間で一周してる訳なので、赤道直下だと、時速1600キロメートル以上の速度で動いていることになり、それがピタッと停止した場合、慣性の法則で地上のものは、ほぼ、その速度で動きます。
音速のマッハ1の時速1200キロメートルを大きく上回るので地上は大惨事になりますね。
![](https://assets.st-note.com/img/1677935503403-e6Ycvv3cni.jpg?width=1200)
もちろん、自転の方向が逆転するならその倍の力が働きます。マッハ1から2くらいだと、発射した銃の弾ほどの速度になるので、生きてる人は居なくなるんじゃないでしょうか。
でも、この自転軸の停止も、逆転も、南極と北極が入れ替わる程度では起こったりしませんのでご安心ください。
ただし、南北の地磁気の逆転、つまり、S極とN極の逆転は、地球史の中では度々起こっているようです。
![](https://assets.st-note.com/img/1677935554563-pl1GrZgJpb.jpg?width=1200)
岩石に残留する磁気、残留磁気とも残留磁化とも言われる磁気の研究は古地磁気学と言われ、火山岩や堆積岩を調べると、それがいつ出来たのかの年代が特定されます。
岩の中の磁気を調べることで、その岩が出来た緯度まで分かるそうですよ。
そして、今から100年ほど前の、1906年に地磁気の向きとは逆向きに磁化された岩石が発見され、そこから徐々に古地磁気学が発展していき、過去360万年の間に地球の磁気、つまり、S極とN極が逆転した回数は11回にのぼるそうです。
この古地磁気学では1926年に京都大学の松山基範博士が地磁気の逆転した岩石を次々と発見した為に、古地磁気学での258.1万年前から、77万年までの地磁気の逆転期を松山期、もしくは松山逆転極期と名前が付けられています。
![](https://assets.st-note.com/img/1677935720793-B80A6wcFIv.jpg?width=1200)
この最後の地磁気の逆転したのは77万年前と言われ、その証拠になる地層は千葉県市原市の養老川沿いにありまして、地質学者の間では「千葉セクション」と呼ばれています。
千葉セクションは最近だと「チバニアン」で話題になりましたね。
![](https://assets.st-note.com/img/1677935735141-iK9cJ7UlW6.jpg?width=1200)
この地磁気逆転がなぜ起こるのかは今も解明されていませんが、この11回の極移動と生物史上での大絶滅との時期が特に重なっているわけでは無いので、地磁気の逆転が起こっても大規模な生物の絶滅事件が起こるわけでは無さそうです。
ちなみに陰謀論でのポールシフトは地球の自転軸が短期間で移動するというモノと、南極と北極が入れ替わるというモノがあるそうで、自転軸の移動については、ジャイアント・インパクトの様な衝突がないと起こらないし、磁極の逆転については特に絶滅のデータとは重なっても居ないので、どちらも、そこまで気にする事は無いのかも知れません。
![](https://assets.st-note.com/img/1677935762660-RDo39TeZEF.jpg?width=1200)
今回はサイト、とウィキペディアの「ポールシフト」「ジャイアント・インパクト説」「地磁気逆転」「古地磁気学」などの項目からお話しました。
蓬莱軒では、知的好奇心を刺激する話題を毎週動画でお届けしていますので、YouTubeチャンネルにもよかったら遊びに来てくださいねマスター。
それではまた、らいら〜い🖐
蓬莱軒【水曜20時 不思議・科学・都市伝説】
https://www.youtube.com/horaiken
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?