【科学】虚偽記憶・過誤記憶実験
こんにちはマスター、蓬莱です。
以前の記事にて「前世の記憶を持つ子供」を扱いましたが、その中で虚偽記憶に少し触れたのを覚えていますか?
存在しない記憶という言葉は、コミックでもあり、アニメにもなっている呪術廻戦で語られて、広まったみたいです
人には存在しない記憶を作ることが出来るのだという事は1990年代にアメリカ合衆国の認知心理学者エリザベス・ロフタス博士による実験「ショッピングモールの迷子」によって実証されました。この植え付けられて偽の記憶を「虚偽記憶」というそうです。
アメリカ合衆国では、前世の記憶が催眠によって語られた事件「ブライディーマーフィー事件」以降、催眠によって過去のトラウマを負った事件まで遡って心の病を治療するという催眠療法が始まり、それは1980年代に大きく広まって、その治療の過程で「私は過去に父親に襲われた」という父親を告訴する裁判が増えて行きました。
そんな中で、エリザベス・ロフタス博士は子どもたちと親とのインタビュー形式で昔の楽しかった思い出を話し、親と示し合わせて、ショッピングモールに行った思い出に誘導して、その際に子供に「そのショッピングモールで迷子になったよね」と、事実と違う虚偽の体験を混ぜて話したときの子どもたちの反応を調べたのです。
すると実験に参加した子どもたちの25%が、そんな事実は無いのにもかかわらず、迷子になったという体験を認めたのです。中にはその様子を積極的に詳しく語った子もいたのです。
こういった実験を元にロフタス博士は記憶は与えられた情報によって変化し、時には偽りの記憶になり、脳内で記憶は認知的事実、つまり、見たものや聞いたものが保存されているわけではなく、思い出すことは、情報を脳内で再構成している」という事を主張しました。
先に述べた、ブライディー・マーフィー事件も、語り手の前世であったブライディー・マーフィーは存在してはいなくて、語り手の幼い頃に聞かされたアイルランド出身の人の思い出話が潜在記憶にとどまり、催眠術で浮かび上がった際に、存在しないブライディー・マーフィーの記憶として再構成されたのではないかと言われてますね。
このロフタス博士の虚偽記憶の指摘によって、催眠術での証言で父親を告訴する事件は減少して行き、催眠療法の問題点が再検討され、また、催眠による告発の訴訟は被告側に優位な判決が増えていきました。
ただし、ロフタス博士に対しては、幼少期の性的なトラウマとショッピングモールの迷子を同列に扱うのは如何なものか、という批判も寄せられているようです。
また、ロフタス博士の唱えた「虚偽記憶」の説明によって「エイリアンによって誘拐され、身体に発振器のような異物を植え込まれた」という「エイリアン・アブダクション」も退行催眠による報告が非常に多いために、否定的な見解を当てはめることが出来るそうですよ。
今回はブログ:草の実堂より「虚偽記憶、現実には経験していない事を経験したかのように思い込む記憶」とウィキペディアの「虚偽記憶」「エリザベス・ロフタス」などの項目からお話しました。
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それではまた、らいら〜い🖐
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