【ミステリー•科学】ノアの方舟と種子の箱舟
こんにちはマスター、蓬莱です。
マスターはノアの方舟の話を聞いたことはありませんか?
聖書でも超有名なお話ですのでご存知かもしれませんね。
これは人々の堕落をみかねて神が大洪水を起こすからとノアに示し、方舟を作って生き物をオスメスひと組ずつ集めて避難させなさいと命じ、ノアがそれに従って世界が水に飲まれた後にも、動物と共に生き延びたというお話です。
今回は「ノアの方舟」のお話と、この伝説が元になって「種子の箱舟」と言われるようになった施設のお話です。
ノアの方舟は聖書の創世記ですが、実はそれよりずっと古く、シュメールの粘土板に神が洪水を起こすと予言し、洪水の中で大船が七日七晩ただよって嵐が収まったとの物語が刻まれており、おそらくこれがノアの方舟の原型ではないかとの説があります。
また、創世記が記載されている旧約聖書が成立したユダヤ教よりもっと古くからある古代メソポタミアの文学作品の「ギルガメシュ叙事詩」にて神のメッセージを受けた者が巨大な箱舟を作り、神が起こした嵐の中を七日七晩耐え忍んで生き延びた話が残っており、こちらは更にノアの方舟の伝説と共通点が多くなっています。
また、インド神話のマヌ法典にも大洪水を扱った記述があるそうです。
創世記でのノアの方舟は全長133.5メートル、全幅22.2メートル、高さは13.3メートルという巨大な船でしたが、この長さと幅と高さの比率は現在のタンカーなどの大型船舶を作る際のもっとも安定した比率 30 : 5 : 3 に沿っており、極めて沈みにくい安定した比率なのだそうです。
このノアの方舟はアララト山に漂着したのですが、このアララト山はトルコ共和国の東端近くに位置し、クルド人が多く、イランとアルメニアの国境とも接している、標高5千メートルを超える山でして、この山頂付近には今もノアの方舟の痕跡があるという目撃談や証言が続いている曰く付きの山なのです。
ノアの方舟の残骸の伝説は紀元前3世紀にバビロニアの歴史家が書き残し、13世紀にはマルコ・ポーロが東方見聞録にて言及し、1840年のアララト山の大噴火で付近一帯が壊滅状態になったのにも関わらず、1883年の地震でノアの方舟の残骸らしいものが一部露出しているのが発見されたという報告が入って調査され、帝政ロシア時代にロシアがノアの方舟の大規模な捜索隊を出したり、1950年代の調査ではノアの方舟の残骸のサンプルらしき木片が採取され炭素測定法で年代が特定されたり、2010年に方舟の破片らしきものが見つかり年代測定で4千800年前のものらしいと発表されていますが、今の所、決定的なモノが見つかっておらず、箱舟の船体の木材である「ゴフェルの木」も聖書に一度だけ出てくる名前で、それが本当は何の木だったのかすら特定できておらず、数千年前に建造された方舟は今もアララト山に存在するのだと信じている人が多いようです。
そして、このノアの方舟の現代版という施設がノルウェーにありまして、一般的には「スヴァールバル世界種子貯蔵庫」と呼ばれ、正式名称は「あらゆる危機に耐えうるように設計された終末の日に備える北極種子貯蔵庫」と言います。
スヴァールバル世界種子貯蔵庫はノルウェー領スヴァールバル諸島最大の島、スピッツベルゲン島に建設された「多種多様な植物の種を保存するシード・バンク、種の銀行、種子銀行」と呼ばれる世界最大の種の保存庫です。
種子銀行とは、遺伝的多様性の維持のために植物の種子を保存しますが、それは植物の多種多様な遺伝子を保存することでもあり、ジーン・バンクの意味合いも持ちます。
それは、農業利用されている植物の収量増加や耐病性、乾燥耐性に関わる遺伝子を確保することや、生物の多様性をあるていど確保するため意味もあり、病害虫などによる植物の種の全滅を回避する目的もあるそうです。
スヴァールバル世界種子貯蔵庫はそういった種子銀行で最大のものであり、300万もの種の保存が可能で、2008年に運用が開始されました。
建設や運営にはビル・ゲイツ氏が関わっており、国際機関「グローバル作物多様性トラスト」、によって運用されており、「長期にわたる種子の保存のために深刻な気候変動や自然災害にも耐え、核戦争が地上で起こっても、その際の農作物の再生に役立てるというビジョンまで組み込まれている凄い施設なのです。
大規模な気候変動や自然災害にも耐えるために地殻変動のないスピッツベルゲン島が選ばれ、その貯蔵庫は海抜約130メートルの巨大な岩盤を使い、その岩盤の内部120メートルの中で極めて温度変化の少ない環境を保っています。
保存される種は3層の構造をした気密性の高いアルミ製のパッケージに保管され、プラスチックのコンテナに入れられ、マイナス18度の温度で低酸素の状態にて保存され、種の老化の速度を抑えているそうです。
なお、この自然災害に耐えられる施設が、温暖化の影響で2016年に気温が上昇し、大雨が降った際に、入り口から浸水した事が大きく報道されましたが、施設の設計によってこの水は15メートル入った段階で凍っており、種子の保存に対しての危険は免れています。
つまり、もともとそういう事態も想定はされて造られていたのですね。
ただ、この浸水事故を受けて2019年にトンネル壁からの浸水防止や外部排水溝の掘削、トンネル内の熱源の除去工事など大規模な改修工事を行っています。
なお、この施設の種子保管数は2020年には100万種にも達しており、まだまだ、増加していくと思われます。
現代の方舟は核戦争後も想定した造りで、千年は保つとも言われるとか、ちょっと凄いですね。
今回はウィキペディアの「ノアの箱舟」「ゴフェル」「スヴァールバル世界種子貯蔵庫」「スピッツベルゲン島」などの項目からお話しました。
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それではまた、らいら〜い🖐
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