わたしが山伏の道を歩み始めて、23年が経った。
最初は金峯山寺という吉野の修験道のお寺が募集していた、山上ヶ岳への蓮華入峰という修行だった。
そこで超人のようにひらりひらりとやまを歩く年輩の行者さんを目撃し、山と響き合うかのように音そのものとなって法螺貝を響かせる法螺師さんと出会った。
憧れてしまったのだ。
それがきっかけで、憧れる気持ちに動かされて、ただただ山を歩き法螺貝を立て祈ることをしてきた。
これが法螺馬鹿の原点である。
修行を始めた頃は、神仏の方にばかり顔が向いていて、どうやったら、目に見えない方々に喜んで貰えるのかばかり考えていたのだが…
十年ほど前から自分が山で、海と響き合っていく中で体感したこの感覚を自分一人で味わっている場合では無いのではないかと思い、法螺貝を教えたり、山に行きたいという方を山に連れて行って回峯行のようなことをするようになった。
いまはもっともっと一緒にいる人に喜んでもらいたいという思いがあります。
法螺貝が響くと世界が変わる。空気が変わると言うことが実際に起こります。
法螺貝の響きは目に見えない世界の本当の姿を見せてもらえる扉を開くというところがあるのです。
呼吸という誰もに備わっている、誰でも出来るこの仕組みを使って、貝の響きを通じて世界と響き合うことが出来る…そんな世界にご案内できるガイド。
そういうことが出来たら素敵だと思ったのです。
頑張っていきます。
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