浮き、沈み、
ねえ、自分を持ち上げる術を知っているか?落とす術はどうだい?
いまの高さを保つには?その高さで満足?
「自分なんてまだまだ」は足枷?
それとも地に足のついた自己評価だろうか。
高く飛ぶために、ちょっと前にいる自分を先取りする。
いい方法かもしれない。背伸びをして、いつもより目立つ形で。
でもそれは、今現在、あるいは先取りした未来の、本当の自分の姿だろうか。虚栄を演じて無我夢中。目が覚めたら真っ逆さま。
それもまたケースバイケース?君は人生をゲームのように楽しむつもりかもしれないけど、そこまでゲームしてていいの?
「まだまだ」は呪いの言葉。でも守りのおまじないでもある。体に体重以上の重力をかけて、急な風に飛ばされないように。
守りは保身?保身の何が悪い?守るもののない人ばかり世の中にいるわけじゃないよね。
そう、私は間違いなくまだまだで、羨み、妬み、蔑んでばかり。守りを呪いにして地べた這いずって。
時に思い上がって調子付き、ふわっと浮き上がってすぐそばの誰かを見下す。
その高さ、虚栄でもあるし、あながち嘘でもない。傲慢さもあわせて、私に備わった確かな実力の一面。
生み出す上昇気流と足枷の間で板挟み。私の心と体は生傷ばかり。
ねえ、私はどの高さを飛んでいるだろう?
教えてくれよ、変な形をしたお前さん。
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