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ポジション

あなたのポジションは何だろうか?
それはどこにあるのだろうか?

最近、自分に問う言葉だ。

サッカーやバスケ、野球の話ではない。

自分はどこにいるのか。
そのポジションの意味を推し量る必要がある。

今のポジションで何ができて、何をしなければならないのか。
……そして何ができないのか。
それは自分を縛るものなのか、なにかの代償なのか。選択の結果自分で背負ったものなのか。偶然にも流れ着いたところで絡まってしまったのか。

フリーランスか会社員か、公務員か会社員か、結婚するか独身貴族か、国内か海外か……働き方、生き方の多様化がまるで生き物のように、意思をもっているかのようにのたうちまわっている昨今。

ポジションを移る頻度が以前に比べて増しているのは確かだ。だが別の場所へと移る際に取捨するものはちっぽけなものばかりではないこと、つまり世の中にあるトレードオフのデカさを甘く見ている人が多い。と思う。

世の中にはいろんな立場=ポジションがあって、それはゲームの「職業(ジョブ)」よろしく、さまざまな特典を与えてくれる。そしてまた、枷にもなる。

何かを得れば、何かを失うものだ。

私は今いるポジションで多くのものを得ている。そのなかには特権と言えるものがいくつもある。その代り、しばしば我慢ならないほどタフな状況を受け入れないといけない。不平も言うし、限界を感じることも多々ある。

それでも、このポジションを選んだのは私自身だ。
あの場所に入れること、あそこの資料を見られること、この肩書で働けること。実は結構デカい。
一方で、でこれだけの仕事をこのスケジュールで、この予算で、この人数でやらなければいけない。ハッキリ言ってかなりタフだ。

これはトレードオフの関係だ。それは納得している。
そのうえで、ここから先は決断だ。

もしタフな状況を改善したいと考えて、どこかに進む決断をしたとき、このポジションに置いていかないといけないものは少なくはない。それらは次の場所には持っていけないのだ。

同様に、あるポジションにいることを決めることで持てなくなるものもある。
例えば公務員だ。副業解禁が話される昨今だから最新のたとえではないかもしれないが、公務員は副業を禁止されている。つまり在宅ワークなどはもちろんダメだし、講師としての出演の際には交通費以外の謝礼を断るケースが多い。副業禁止は就業規則の一側面だ。そこがお堅い一方で様々なことが保証されている。

家族もそうだ。家族を持った場合、その一員であることからは逃れられない。逃れられないというから負担の側面が際立つが、実際はトレードオフだ。
家族になるという選択で得るものがある。
家計という経済規模や、男女のパートナーであれば子供も持ちうるだろう。あとは扶養控除という制度もとりうる。使い古された言葉だが、家族といえばかけがえのないものとも言われる。そしてそれを手にした結果、現実的に選択できない、しづらいものが生じる。それまで独身だったり学生だったりしたときにできていたこと、それはまあ女遊び/男遊びだったりもするし、毎晩飲み歩くことや、自由気ままに生きることだろう。妻や夫にたしなめられたり、やりたいことがあるのにママ友やらご近所のしがらみから逃れられない場合もあるだろう(実際は未経験だからよくは知らない。推測だ)。かけがえのないものを得る代わりに、失うとまではいかずとも、身動きをとりにくくなる。

今いるポジションから次へと進む場合、手放すものは多い。
それはどんな時も同じだろう。

それを甘く見て、
「こっちに来ればそんなくだらないしがらみから解き放たれて自由に暮らせるんだよ」
だなんて、そんな話はない。
「くだらないしがらみから解き放たれ」ることは確かだろう。だが同時にこれまで享受してきたものも失う。そのことを多くの場合語られず、あるいはそれもくだらないものと言い放つ。本当にそうだろうか?それは自分にしかわからない。それが自分にとってやはりとるに足らないものならば、進んでポジションを変わるべきだ。だがそれが捨てがたいものならば、自由に目がくらむかもしれないが今一度熟慮すべきだ。

何かを得れば、何かを失う。

それは当然のこと。

もちろん、工夫次第で両取りに近いことはできるだろう。だがその工夫にはたいていそれなりの努力や犠牲を伴う。その際の努力は時間を奪うだろうし、犠牲は自分に返ってくる。やはりトレードオフであることに変わりはない。

何を一番に生きるか。
それが、自分がどのポジションにいるべきか、そのポジションでいかに輝くか考えるうえで重要な指針になる。

私が旅人になれば、自由な時間は手に入る。
だがたぶん賞与は無くなるだろう。
私が旅人になりたいとすれば、そうやって一つずつ天秤にかける。

人生とは、ポジション選びと天秤かけの連続なんじゃないだろうか。
keep thinking, feeling, struggling, and keep enjoying.

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