俺のおやじ、ミノル 【其ノ伍】俺のおやじ、ミノルは、朝礼台の下で体操をサボったことがある。
俺のおやじ、ミノルは、
大の学校嫌いである。
勉強も、体育も、サボれる機会をうかがっては
ばっくれていたようだ。
ある日、体育の授業をサボるため、
朝礼台の下に友人と隠れていた。
学校の朝礼台は四方を板で囲まれており、
おやじたちは下から潜り込んで
ひっそりと息を殺していた。
やがて、全体での体操が始まった。
先生が朝礼台にのぼって笛で号令をかけ、
生徒たちは一斉に校庭いっぱいに広がった。
そして、体操開始。
はじめのうちはよかった。
ところが、後半の跳躍のところで、
先生がどんどんと飛び跳ね始めたとたん、
板の隙間から、砂がこぼれ落ちてくるではないか !!!
しかも、先生はガタイがよかったこともあり、
砂ぼこりの量は尋常ではなかった…..。
その後のことを、おやじは語ろうとしない。
まぁ、こんな苦しい思いをするのなら、
だまって体操やってたほうがよかったのではとも思うが。
そんなおやじ、ミノルだが、
やっぱり俺は好きだ。
ぴーこ
（P.S.）おやじ曰く、なぜ朝礼台の下に隠れていてもバレなかったのかというと、おやじの通っていた頃の学校の朝礼台は板で３面を囲っていたため、見つからなかったらしい(^^)w
実家にいた頃は、俺にはおやじはいるのか？と思うくらい、夜遅くまで呑みあるっていて顔を見る機会も少なかったおやじ、ミノル。晩年は缶ビール１本を飲むか飲まないか、というレベルの酒量でしたが、それでも楽しく嗜んでいたようです。おやじへの酒代として大切に使わせていただきます。