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『牛談〜おそれをいだきて~』台本


                   作:安島崇

 暗闇の中、怪談師・蘇芳(すおう)の声が響く。

蘇芳  新天地開闢同盟(しんてんちかいびゃくどうめい)・無明(むみょう)——それは、戦前・戦中に存在した研究機関、通称「百八機関」を前身とする、この国を〝在るべき姿〟へと創り直すことを目的とした秘密結社。

 ぼんやりとした照明の中、蘇芳が登場。
 和装で、まだ若いのに白髪。右手には包帯を巻いている。

蘇芳  無明は、百八機関に所属していた、三人の科学者達によって統率されている。一人は、「あやかしの軍事利用」担当だった、八柳冬志郎(やつやなぎとうしろう)。一人は、「死者の蘇生」担当だった御堂影光(みどうかげみつ)。そして、最後の一人は——「呪術による暗殺及び大量虐殺」担当だった、百目鬼史子(どうめきあやこ)。

 蘇芳、ドアをノックする。

蘇芳  百目鬼博士、失礼します。
百目鬼  どうぞ、入って。

 蘇芳、部屋に入る。
 明転。
 髪を三つ編みし眼鏡をかけた、白衣姿の百目鬼が椅子にかけている。目の前の机には書類の山。

百目鬼  こんにちは、蘇芳君。あやかし集めは順調?蘇芳  お陰様で。
百目鬼  サトリの妖怪を捕まえたんだって?
蘇芳  ええ、苦労しましたが、そのかいはありました。
百目鬼  それは何より。八柳博士も興味津々だったわ。
蘇芳  あの人は、あやかしにしか興味がありませんからね。
百目鬼  ふふ、そうね。

 重いものを地面に置く物音。
 部屋の奥から、軍服に身を包んだ、フランケンシュタインの怪物の様な風貌の大男・六道(りくどう)が登場。

六道  博士……荷物の移動、完了しました……
百目鬼  ああ、有難う、六道君。悪かったわね、忙しいところこき使っちゃって。無明で一番力があるのは貴方だったから。
六道  いえ……
百目鬼  お茶でも飲んでく?
六道  残念ですが……これから、御堂博士による検診がありますので……
百目鬼  ああ、そうだったわね。さがっていいわよ。六道  失礼します……(敬礼)

 六道、去ろうとする。

蘇芳  やあ、六道。調子はどうだい?
六道  ……(通り過ぎる)
蘇芳  おいおい、無視かい?酷いなあ。
六道  ……我々は、お前を信用していない……何を企み、この組織に身を置いている……?
蘇芳  心外だねえ。私は別に、何も企んでなんかいないよ。
六道  ……ふん。

 六道、去る。

百目鬼  (苦笑し)ちょっとちょっと。幹部同士、仲良くしてよお?
蘇芳  私は仲良くやりたいんですがねえ。しかし、「我々」、か……あの噂は本当なんですか?
百目鬼  噂?
蘇芳  彼、人格が六つあるとか何とか。
百目鬼  ああ——まあ、多重人格というよりは、六人分の魂の情報が混ざりあってる感じかなあ。六道君は、六つの死体を繋ぎ合わせて造られたから。
蘇芳  ははあ。まるで西洋の、フランケンシュタインの怪物だ。
百目鬼  元は六人とも、百八機関で肉体強化実験を受けた軍人だったんだけどね。実戦投入前に、日本が負けちゃって。で、みんなで一斉に割腹自殺しちゃったのよ。
蘇芳  それはそれは。愛国心も極まれりだ。
百目鬼  その死体を御堂博士が回収して、不死身の兵士として蘇らせたってわけ。
蘇芳  しかし、六つもの人格を一つに纏めて、不具合は生じないのですか?
百目鬼  相当無理やりではあるけれど、驚異的な団結心で、奇跡的に纏まってるって感じかな?一応、性格的には脳味噌の持ち主の影響が一番強くて、六人分の怨念を原動力に動いてるとか何とか——ま、詳しい話は御堂博士に聞いて。それより、本題だけれど。
蘇芳  ああ、そうでした。で、僕は一体、何を運べば?
百目鬼  (笑って)あなたに肉体労働をさせるつもりはないわ。借りたいのは、こっちのほう(自分の頭を指差す)
蘇芳  ほう?無明の誇る三脳髄(さんのうずい)の一人である貴女に、私なんぞがお貸しできる知恵があるかどうか。
百目鬼  それが、こいつはどうも貴方の領分でね——蘇芳君、「牛の首」って怪談、知ってる?
蘇芳  「牛の首」、ですか——さて、どう答えたものか。「はい」とも言えるし、「いいえ」とも言えますね。

 蘇芳、客席を見つめる。
 蘇芳の周辺を除き、舞台上が暗くなっていく。

蘇芳  「牛の首」——それは、古くから伝わる怪談の一つ。これを聞いたものは、恐怖のあまり身震いが止まらず、三日と経たずに死んでしまうか、発狂するかしてしまうという。怪談の作者は、多くの死者が出たことを悔いて仏門に入り、誰に乞われようと、二度とその話をすることはなかった。よって、今に伝わるのは、「牛の首」という題名と、それが想像を絶する恐ろしい話であった、という噂のみである。

 明転。

百目鬼  そう、その「牛の首」。釈迦に説法だったわね。
蘇芳  私も風の噂で耳にした程度です。今言ったような概要は把握していますが、「牛の首」という怪談自体の詳しい内容は知りません。知っていたら、こうして生きてはいないですしね。
百目鬼  でしょうね。この言い伝えだけど——怪談師の貴方は、どう思う?
蘇芳  ま、野暮(やぼ)を承知で言うのであれば——そもそも存在しないのでしょうね、そんな話は。「聞くと死んでしまう恐ろしい怪談がある」という、それ自体が創作だ。しかしその形骸(けいがい)のみが「内容を知りたい」という人々の好奇心によって、噂として流布され、広がり、増殖していく——そんな構造まで含めて、「牛の首」という怪談なのでしょう。
百目鬼  それじゃあ、「牛の首」という題名については?
蘇芳  そうですね。人間の頭に、牛の体を持つ妖怪・件(くだん)や、ギリシア神話の怪物・ミノタウロスなどを想起させますが——まあ、人々の関心を引くための、何か意味ありげな題名、という以上の意味はないかと。
百目鬼  そうよねえ、やっぱり……
蘇芳  それが何か?
百目鬼  あったの。
蘇芳  は?
百目鬼  実在したのよ、「牛の首」。
蘇芳  ……どういう事です?
百目鬼  順を追って話しましょうか。とある山奥に、古いお寺があってね。そこの蔵には、妖刀やら、曰くつきの掛け軸やら、とにかく多種多様な呪物が奉納されている、って情報を得たの。で、うちの人間を向かわせて、「それらを買い取りたい」、って御坊さん達と交渉したんだけど——
蘇芳  どうなりました?
百目鬼  ごちゃごちゃ五月蠅(うるさ)いから、皆殺しにしちゃった。
蘇芳  おやおや。それで?
百目鬼  いろいろと興味深い物はあったんだけど、その中に、お札がべたべた貼られた木箱に収められた書物があってね。
蘇芳  書物?
百目鬼  その表紙には、こう記されていた——「牛の首」。
蘇芳  まさか。
百目鬼  まあ、「まさか」と思うわよね。ところが、うちの研究員が、その書物を読んだところ——
蘇芳  死んだんですか?
百目鬼  四人中三人がね。残りの一人は、今もぶつぶつ壁に向かって独り言を言い続けてる。
蘇芳  死ぬというのは、どのように?
百目鬼  その場で心臓麻痺を起こしたのが一人。錯乱して硝子(ガラス)で首を掻き切ったのが一人。それから言い伝えの通りに、三日間震え続けた後、衰弱死したのが一人。
蘇芳  その衰弱死した研究員から、話は聞けましたか?
百目鬼  駄目。そいつも殆ど正気を失ってたから。
蘇芳  成程……その書物は、今はどこに?

 百目鬼、机の引き出しから、古びた書物を取り出す。

百目鬼  これよ。
蘇芳  ……よくそんなところに置けますね。
百目鬼  んー?読まなきゃいいんでしょ?
蘇芳  まあ、そうですが。
百目鬼  (本を机に置き)で、どう思う、蘇芳君?改めて、怪談師としての意見を聞かせて。
蘇芳  そうですね……怪談を聴いた結果、死に至る……それ自体は、ない話ではないと思います。極度に怖がりで、心臓が弱い人間であれば、心臓麻痺などを起こす可能性もあるでしょう。ただ——
百目鬼  ただ?
蘇芳  人間には好みというものがある。面白いと感じるもの、不快に思うもの、恐怖を抱くもの——皆、それぞれ違うはずです。万人が揃いも揃って、気が触れてしまう程の恐怖心に憑りつかれる怪談というのは、正直に言って——
百目鬼  成立が困難?
蘇芳  はい。
百目鬼  そうよねえ。それはそうなんだけど——
蘇芳  事実、被害は出ている、と。
百目鬼 そうなのよ。解析しようにも、肝心の内容を読めないんじゃねえ。
蘇芳  確かに、扱いに困りますね。
百目鬼  ——ねえ、蘇芳君。これは単に、好奇心から訊くんだけど。
蘇芳  何でしょう?
百目鬼  例えば、怪談師の貴方が一番恐れるものって何?
蘇芳  そうですね……昔の私なら、「喪失」と答えたんでしょうね。

 蘇芳、ゆっくりと机に歩み寄る。

百目鬼  喪失?
蘇芳  ええ。大切なものを永久に喪うこと……私は、それが怖かった……
百目鬼  今は違うのかしら?
蘇芳  私にはもう、何も残っていませんから。あの日誓った使命の他には、何も。

 蘇芳、書物を手にする。

蘇芳  だから、月並みな答えになってしまいますが——今の私が恐れているのは、「死」、ということになるのでしょうか。
百目鬼  ……蘇芳君?
蘇芳  いや、違うな——死、そのものではない——死によって、使命を果たす前に命を落とすことが、私は——僕は、一番——
百目鬼  蘇芳君。
蘇芳  そう——この本にも、きっと、そう書いて——

 蘇芳、書物を開こうとする。

百目鬼  ——蘇芳君ッ!
蘇芳  !?

 蘇芳、正気に戻り、書物を放り捨てる。

百目鬼  大丈夫?
蘇芳  ええ——有難うございます。
百目鬼  何があったの?
蘇芳  突然、あの本を読まねばならない気がしまして……不覚でした。
百目鬼  (溜息をつき)どうやら、単なる「怖い話」って訳じゃなさそうね。近くにいる人間に影響を及ぼす、呪物の類か。
蘇芳  博士は大丈夫なんですか?
百目鬼  え?ああ——私はどうやら、呪いとかそういうのに耐性のある体質らしくてね。おかげで戦時中も、実験の失敗で大勢死んだのに、私だけは何故か生き残ったし。
蘇芳  それは何より。
百目鬼  とは言え、普段は服で見えないところの皮膚なんかは、後遺症でなかなか面白いことになってるけど——見る?
蘇芳  興味深いですが、遠慮しておきます。
百目鬼  あらそう、紳士ね。まあとりあえず、その本は一旦木箱に戻して、死んでもいい人間で改めて実験を——

 六道、登場。

六道  百目鬼博士……御堂博士が、後で話があると……

 六道、落ちている本に気が付き、拾いあげる。

百目鬼  六道君!?
蘇芳  読むな!

 六道、頁をめくる。

六道  これは……?

 蘇芳、舌打ちし、駆け寄ろうとする。

百目鬼  待って!
蘇芳  博士?

 六道、怪訝そうに頁をめくっている。

百目鬼  六道君、貴方——平気なの?
六道  平気……とは……?
蘇芳  その本には、何が書いてある?
六道  何も……書いてはいない……
蘇芳  書いてない?
六道  ただ、文字が……蚯蚓(みみず)のように、紙面をのたくっている……様々な文字になっては……すぐにまた、形が変わり……読むことは、できない……
百目鬼  成程。そういうことね。
蘇芳  何かわかったんですか?
百目鬼  ええ。「牛の首」の正体は、生きた文字。紙面に記された一文字一文字が、読むものによって形を変えるあやかしなのよ。
蘇芳  そうか——読者の深層心理を読み取り、対象が最も恐れるであろう物語を、瞬時に紡ぎだす——私の捕まえたサトリとも、少し似ていますね。
百目鬼  けれども、六道君は六人分の人格が継(つ)ぎ接(は)ぎされた存在。そして蘇芳君の言う通り、人はそれぞれ、恐怖を抱く物事が異なる。
蘇芳  つまり——複数人で同時に読めば、「牛の首」は物語を一つの形に収束できない。
百目鬼  その通り。わかってみれば、何てことない対処法ね。
蘇芳  このあやかしはどうします?
百目鬼  ん?そうねえ——それじゃあ、お礼替わりに、貴方にあげる。
蘇芳  よろしいので?
百目鬼  ええ。貴方だって留飲を下げたいでしょう?蘇芳  心遣い、感謝します。

 蘇芳、腕に巻かれた包帯を、するすると解いていく。 腕には経文さながらに、びっしりと文字が刻まれている。
 手の甲には、紅で「怪」の一文字。
 掌には、中心に目のついた、蓮の花の紋様が描かれている。花びらの色は黒く、瞳だけが紅い。

蘇芳  さて——六道。頁をこちらに向けてくれるかな。そう、それでいい——

 どこからか微かに、牛の苦しげな呻き声が響く。

蘇芳  本来、〝縁(ふちどり)〟のないものは祓えない。退治する対象がないのだからね。「牛の首」とは、まさにそうした怪異の代表格だったわけだが——今の私には、君の〝縁〟がはっきり見える。霧が晴れたような喜びと同時に、言いようのない寂しさを覚えているよ。こんなにも脆く弱い存在が、多くの人間を恐怖させた「牛の首」の正体だとは。

 蘇芳、掌をゆっくりと頁に近づける。
 牛の声がもう一度、更に大きく度響く。

蘇芳  とっとと終わりにしよう。これから君の、〝面(おもて)〟を奪う。

 徐々に暗転していく舞台。

蘇芳  今の君は、そう——

 舞台、完全に暗転。
 牛の断末魔が、長く、長く、響き渡る。
 と——肉を引き裂くような音。
 右手に持った牛の首を掲げた、蘇芳のシルエットが浮かび上がる。

蘇芳  ——恐れるに足りない。

 再び、暗転。
 間。
 暗闇の中、蘇芳の語りが聴こえてくる。

蘇芳  ——悲鳴を聞きつけ、息子達が駆け付けると、男は既に、恐怖に目を見開いた状態でこと切れておりました。

 徐々に明転。
 蘇芳が、ぼろぼろの書物の頁に目を落とし、百目鬼に怪談を語っている。

蘇芳  男は手に、先刻(さっき)まで読んでいたのであろう手紙を握りしめておりました。しかし、その内容は白紙で、何も書かれてはいませんでした。斬り落とされた牛の首から流れ出た、その墨の様に黒い血は、今でも違う物語に姿を変えて、誰かに読まれる日を待っているのです——

 蘇芳、読んでいた書物の頁を客席に向ける。
 頁は白紙で、何も書かれてはいない。
 百目鬼、パチパチと拍手をする。
 書物を机に置く蘇芳。

百目鬼  成程ね——なかなか聞き応えのある話だったわ。
蘇芳  有難うございます。
百目鬼  村の因習を破った男の嫁が、牛の頭をした男児を産み落とすくだりなんかはぞくぞくしたし、その子が座敷牢の中で、誰に教えられたわけでもない怪談話を語りだすところは不気味で素敵だった。ただ——
蘇芳  ただ?
百目鬼  ——死ぬほど怖い、という事はなかったわね。
蘇芳  (笑って)これは手厳しい。
百目鬼  肝心の、生きた文字が紡ぎだす怪談の詳細も、結局ぼかされてるし。
蘇芳  その部分こそが「牛の首」という怪異の本質ですからね。無理に像(かたち)を与えると、どうしても陳腐化してしまう。ま、ある種の逃げではありますが。それに——
百目鬼  それに?
蘇芳  やはり、生きた人間が、恐れ、楽しんでこその怪談でしょう。死ぬほどの恐怖を与える話というものが具体的にどういうものか、私なんぞには想像するのも難しいですが——例えば、幾ら甘いものや塩(しょ)っぱいものが好きといっても、致死量の砂糖や塩をいっぺんに与えられては——
百目鬼  とても食べられたものではない?
蘇芳  私はそう思いますね。まあ、負け惜しみのようなものですが。それに、たとえ急ごしらえの話だろうと、こうして何らかかの〝縁〟を与えてやらねば、使役するのが困難なもので。

 蘇芳、懐から瓶を取り出す。
 中には、墨汁の様な真っ黒な液体が入っている。

蘇芳  死ぬほど怖い怪談をご所望でしたら、こいつに何か書かせてみましょうか?
百目鬼  ふふ、悪かったわ。ちょっと意地悪を言っただけ。許して頂戴(ちようだい)。
蘇芳  しかし、本当に私が頂いてしまっていいんですか?
百目鬼  構わないわよ。怪談「牛の首」の内容を書き記したとされる書物——果たしてそれが本物だったのか、元がどんな内容だったのかは最早わからないけど、人々の噂によって文字があやかし化し、書物自体が一種の呪物となった——種が割れたら、興味が失せたわ。誰かを呪い殺すなら、効率的な方法が他に幾らでもあるしね。
蘇芳  わかりました。では有難く。

 瓶を懐にしまい、去ろうとする蘇芳。

百目鬼  ああ、蘇芳君。
蘇芳  はい?
百目鬼  六道君が言ってたことだけど、私は別に構わないと思ってるわよ。
蘇芳  と、言うと?
百目鬼  貴方が無明に身を寄せている理由は知ってるわ。貴方には六道君や市川和尚(おしょう)の様な、組織に対する忠誠心はない。貴方が無明に身を置いているのは、あくまで利害関係によるもの。
蘇芳  ……
百目鬼  でもね、私なんかは心なんて不確かな物より、そっちの方が安心できるのよねえ。それに、私も同じだし。正直ね、私は無明の掲げる、この国を〝在るべき姿〟へと創り直す、なんて理想はどうだっていいの。ただ、面白そうだから力を貸してるだけ。だから——貴方も私達を存分に利用して頂戴。私達も、貴方を利用するから。
蘇芳  ……やはり恐ろしい人だ、貴女は。
百目鬼  ふふ——誉め言葉と受け取っておくわ。

 蘇芳、一礼して去る。
 書物を手に取り、独り言を言う百目鬼。

百目鬼  ……私もね、蘇芳君……貴方と同じで、『死』が一番怖い……この世の謎を……面白いものを知り尽くす前に死んでしまうのが……だからきっと、完成させてみせる……百八機関も成しえなかった、人類の夢……『不老不死』の研究をね……

 百目鬼、静かに笑いだす。
 やがて、その笑い声が、徐々に、徐々に大きくなっていく。
 暗転。

                      —幕—

※この戯曲は「怪談~あやかしかたりて~」の続編であり、同作品の1・5次創作アカウントから生まれた人物、設定を元に書かれた作品です。

『怪談~あやかしかたりて~』上演台本|渡辺キョウスケ (note.com)

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