寝太郎(創作童話)

昔、ある村に与太郎という一人の男が住んでいました。
小さな畑を耕して暮らしていました。
その日その日を過ごすのでやっとの生活です。
「もっと楽にたくさん稼げないかなあ。」
畑を耕しながら、与太郎はいつも考えていました。

ある日、与太郎はいい事を思いつきました。
その日から、与太郎は何もせず寝てばかりいるようになりました。
家族は心配しました。
夜になると、与太郎はむっくりと起きて、机に向かい寝ている間に夢で見た絵や物語を書きました。
そして、朝になると、また寝るのです。
そして、夜になると、また起きて夢の絵や物語を書くのです。
村の人たちは、与太郎の事を寝太郎と呼ぶようになりました。
村の人たちは、あんな同楽な男はいないと笑っていました。
しかし、与太郎は、寝太郎日記という本に、今までの夢の絵や物語をまとめて書いて、コンクールに応募しました。
本は入選して売れました。
村の人たちは、びっくりしました。
でも、夜起きる生活は厭だったので、ぐうたらの生活はやめて、また畑を耕す事にしました。
また気が向いたら、寝太郎になろうか、そんな楽しみが与太郎に増えました。

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