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「超訳・易経」(竹村亞希子・角川SSC新書)を読んで

 占いとは未来を予測し指南する事だが、易経は占いというより、人生で起こりうる様々な問題から具体的な対処法が書かれた本だ。とにかく、悪い兆しから萌しに気づいて早く対処する事が大切だ。

 陽の時は君子が活躍し、陰の時は小人の時代となる。
 日本は戦後復興から高度経済成長、そしてバブルが崩壊したかと思ったら東日本大震災と、陽から陰の時代となった。
 社会には閉塞感がある。こういう時代は小人(大衆)の時代であり、現実を受け入れ逆境に耐え、したがっていくのがよいとされる。陰の時は陰徳を積み実力を蓄える時期だ。

 陽が強すぎる時は陰の力が必要だが、陰の時は陰の力をさらに強めることで新たな陽の力を引き込む。

 震災は天災であり人災の面もあるが人間が勝手気ままにしていると災いが及ぶと易経は述べている。

・閉塞した時代は人の和をもって打開するのがよい
・こじれた人間関係を修復するには小さな交流を積み重ねていくのがよい
・人生の節目(充電期間)を上手に過ごすためには苦しんではならない(立ち止まることも必要)
・時流に乗る者は時流によって滅びる(ブームは一時的なもの)

陰というとネガティブなイメージがあるが、春に芽吹き夏に勢いを増し秋に実り冬に休止するというサイクルがあるが、冬にじっと休んで力を蓄えるからこそ、春に芽を出すように陰にも大切な役割があることを知った。

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