見出し画像

いざお化け屋敷へ

noteで文化祭。
いよいよ明日締め切りです。

ギリギリで、やっとこさ書きました。
リコさん担当の
『お化け屋敷コーナー』
に参戦します。


高校の文化祭前日。

授業はなく、文化祭の準備で皆バタバタしていた。
が、教室の後ろの方で紙を丸めたものをボールにしてほうきの柄をバットにして野球をしている男子もいた。

「ねぇ!真面目にやって〜」という私。

ヘラヘラ笑いながら遊び続ける男子たち。

そこへ健太が
「おい。あとちょっとだから、やろーぜ。敦は背が高いからあそこの飾り付け手伝ってやってよ。洋介は美術得意だから、あの色塗り手伝ってきて。あと、お前とお前は力有り余ってそうだから、あっちで重いの持つの手伝ってやってよ」
と指示を出してくれた。

「私が言っても全然話聞いてくれなかったのに…。健太、ありがとう」
というと健太は
「まぁ、俺の人徳?ってやつじゃね?」
なんて照れくさそうに笑いながら、みんなの元に行った。

夜7時を周り、担任の先生から帰るように促された。

なんとか明日の文化祭には間に合う形になったので、安心して帰宅することが出来た。

私と健太は家が近かったので、一緒に帰ることになった。

健太とは保育園の頃から一緒。
いわば幼なじみだ。

「髪、伸びたね」
と私が言うと
「あぁ、野球終わってからずっと伸ばしてるからな」
と少し伸びた髪を触りながら答える健太。

健太は野球部で、ずっと坊主頭だった。
夏の高校野球が終わってから髪を伸ばし始めていた。

「髪もだけど、背も伸びただろ?」
と、私の頭に自分の手を当ててから、それを自分の胸元にやって私の背の低さを強調した。

「あ、そういえばそうだね」
と答えると
「そういえばって…」
と、少し残念そうに笑った。

髪も伸びて、背も伸びていることに気づいたら、なんだか私はいつもの健太のようじゃなく感じてしまい、ちょっと戸惑ってしまった。
意識してしまったというのが正しいだろうか…。

いや、前からそんな気持ちもあったかもしれない。
けど、それを意識してしまったら、今までのような幼なじみの関係性を壊してしまいそうで怖くて意識しないようにしてきた気もする。

少し会話が途切れた頃、健太が
「ららみ、明日、3年C組のお化け屋敷、一緒に行かね?」
と言ってきた。


びっくりしたけど嬉しかった。
…嬉しかったけど私は
「え?文化祭当日は、演劇部忙しいの知ってるでしょ?ムリだよ」
と、そっけなく返してしまった。

「あ、そっか。そうだよな。んじゃ、いいわ」

「あ、うん…ごめん…。あ、誰かいるでしょ?一緒にお化け屋敷行ける人」
と言うと、少し考えてから
「いや。俺、ららみとお化け屋敷入りたいんだわ。だから、文化祭終わって代休あるじゃん」と続けて言ってきた。
「あ、月曜日?」
「そう。月曜日。その日、遊園地行かね?遊園地にお化け屋敷あるじゃん。あれ、一緒に…どうかな?」
と、言ってきた。

びっくりしすぎて、なんて答えたかちゃんとは覚えてないけど、OKの返事をしたのは確か。


その日の夜は、文化祭の前の日というワクワクもあったけど、健太との遊園地の約束の方が優って、ソワソワとワクワク度がヤバかった。

文化祭当日は、自分たちの教室の展示はチラッとだけ見て、あとは演劇部のお仕事に大忙しだった。

文化祭は、たくさんの人が来てくれて、教室もまぁまぁ盛り上がったみたいだし、演劇部のお芝居もなかなか好評に終わった。

裏方としてバンドをする人たちにスポットを当てたりしながら、ほぼ私は体育館で文化祭を過ごした。


そして、迎えた月曜日。

健太とバスに乗って遊園地に行くことになった。

私服の健太を見るのも久しぶりで、これまたドキドキしてしまった。
だけど、そんなドキドキを悟られないようにしないと…と思い、たくさん話して、たくさん笑っていた気がする。

やっと着いた遊園地。

バスから降りて入り口まで行ってびっくり。

遊園地は休館日だった。

バスは行ってしまって、帰りのバスまで1時間ほど待つことになった。

バスを待つ間、少し散歩もした。

健太はその時、なぜお化け屋敷に私と行きたかったのかを話してくれた。

「保育園の時の夏祭り覚えてる?」
「うん。覚えてるよ」
「あの夏祭りで、先生たちが作ったお化け屋敷あったじゃん」
「あぁ、あったねー。凄い人気だったよね」
「そうそう。すげー人気でさ。で、年長の時にさ、俺とららみ一緒に入ろうって言ったの覚えてる?」
「うーん?そんなことあったような…なかったような…。ほぼいつも一緒にいたから約束したかどうかまでは覚えてないかな」
「俺さ、カッコつけて「一緒に行こうぜ」って言ってさ、前の年まで親と一緒だったのをららみと行くって、親から離れてさ、お前と並んだんだよ」
「へぇ。そうだっけか?」
「そうなんだよ。で、いざ俺らの番ってなったら、俺ビビっちゃってさ」
「え?そうだっけ?」
「そうなんだよ。すげー情けねーの。先生とかに「大丈夫だよ」とか言われても足ガクガクで入れなくてさ。しまいには親も近くに来て「ららみちゃんにいいとこ見せるんでしょ」って耳打ちするしさ。それでも俺、どーしても怖くて、入れなくてさ」
「えー、全然覚えてないんだけど〜」
「そっかぁ。覚えてないのかぁ。なんだ…。覚えてねぇのかよ…」
「え?で、結局どうなったの?一緒に入ったの?入らなかったの?」
「親も一緒に入った…」
「え?」
「え?だよな…。ららみと俺と、俺の親と一緒に入った」
「え、めっちゃ可愛いんだけど…」
「は?かわいくねーし。めちゃくちゃ情けねーわ。ってか、ららみ覚えてなかったなら言わなきゃ良かったよ…」
「あはは。そうだね。」
「あの時はお化け屋敷入れなかったから、文化祭でリベンジって思ったんだけどさ」
「あぁ、私、忙しかったからね」
「で、今日こそって思って来たのに…」
「休みだったね😆」
「くそっ。俺、お化け屋敷克服出来ねーのかよ」
「あはは」
「俺、絶対お化け屋敷は、ららみと入るからな」
「なんていう目標だよ…。まぁ、また今度来ようよ」
「そうだな。悪かったな。今日せっかく来てもらったのに」
「そんなことないよ。これはこれで楽しいよ。それにさ、昔の思い出思い出させてくれたし。懐かしかった。あ、先生元気かな?」
「あぁ、元気かな?まだあの保育園にいるみたいだな」
「へえ。会いに行きたいね」
「あ、じゃあ、今日行くか❓バス来たら、保育園まで行ってみようぜ」
「あ、いいね‼️」

結局、私と健太は文化祭のお化け屋敷にも遊園地のお化け屋敷にも入れなかった。

その日は懐かしい思い出の保育園に行き、先生との再会を果たして、子どもたちと遊んで帰ってきた。

懐かしい思い出。



って、そんな文化祭の青春があったらいいなぁ…っていう妄想でした。


私の妄想話にお付き合いくださいまして、ありがとうございます😊


昔息子が保育所にいた頃、同級生の双子の妹さんたちと仲が良くて、その子たちと夏祭りのお化け屋敷に入ろうとしたのに、ビビってビビって入れなかったことからヒントを得ました。

さらにこんな妄想をしていたら、息子からこの双子ちゃんたちとインスタのDMでちょうど会話をしたってことを私に言ってきたので、めちゃくちゃびっくりして、こりゃ、書かなきゃ‼️と思って急いで書きました。

急いでる割に長くなり申し訳ありません💦
短く書くのが苦手なもので…💧


noteで文化祭。
明日まで募集中ですよ💖

こんな妄想話でも全然OK👌です👍
お待ちしてまーす♪

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?