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東京オリンピック開催に反対する人へ

東京オリンピック開催に対する風当たりが強くなっている。楽天の三木谷社長が「自殺行為」と発言したことも話題になった。

5月16日のサンデージャポンで爆笑問題の太田光さんがオリンピック開催について的を射たことを言っていた。

正確な発言の書き起こしではないが、

「反対を訴えるテレビ局の記者とかもオリンピックがあればテレビ局は放映する」「反対を訴える人が勤める会社がオリンピックに協賛しているかもしれない」「楽天の三木谷社長も、楽天はプロ野球を開催している」

このように発言していた。

その通りである。この8年弱オリンピック開催に向けて企業も自治体も皆が準備してきた。それゆえに経済や雇用が潤った側面もあるだろう。どうもそんな背景を無視して、今の人はやみくもに反対しているように思える。

今のオリンピック反対論争の原因には、政治に対する不満感の矛先がオリンピックに向いていることにあると思う。こんなに自粛しなければならないのにオリンピックはやるのか。オリンピックのせいで緊急事態宣言を解除するのか。などこのように思っている人は多いだろう。

ここで言う政治とは政府与党だけでなく、自治体、またその状況を変えられない野党などすべてだ。決して誰かを攻めればよいという話ではない。だからこそ、その矛先がオリンピックに向いているのではないか。そのような空気感を作った政治やマスコミの責任は大きい。しかし、オリンピックの開催に反対するのは少し違うのではないかと私は思う。

オリンピック開催に反対する意見として、感染者数が増加する可能性があること、医療が面倒を見られるのかということがある。

しかし、今でもプロ野球やJリーグを含め様々なスポーツイベントや大会が行われている。当然無観客という選択肢も含めての話である。松山選手で話題となったマスターズ、テニスの全米オープン等を含めて国境を移動する大会も行われている。なぜこういったスポーツイベントが開催できているのかと言えば、我々はこの1年間の戦いの中でどのように対策をすればよいか学んだからだ。マスクをする、消毒をする、社会的距離を保つなどである。こういった対策を徹底すれば感染拡大のリスクは抑えられるのである。これはオリンピックでも同じである。オリンピック全体の規模は大きいが、競技ごとに完結しており小さなスポーツイベントが同時期にたくさん違う場所で行われると考えれば、現状と何か違いがあるのかと思ってしまう。その辺のシミュレーションは組織委員会等が今知恵を絞っている。水際対策も同じである。厳重なPCR検査と隔離による対策を行うとしている。この点のしっかりとした説明は組織委員会にきちんとしてもらいたいが、端から否定するのはいかがなものかと思う。

医療に関しても、現状医療ひっ迫と言われているのはコロナ患者を診られる病床がひっ迫しているだけで、全体の病床は余っている。むしろ民間病院は以前より患者が減っているところもあるという。この点、慈恵医科大の大木隆夫教授がTwitter等で発信しているので参考になる。五輪ドクターが募集以上の人数が集まったというニュースがそれを物語っている。もちろん、医療従事者の感染リスク等を考えれば辞退者が出ることもあるため、その辺は組織員会の丁寧なフォローが求められる。

感染拡大のリスクが少しでもあればやめるべきというのは極端な話であり、これを用いれば世の中のすべてのイベント等が開催できなくなる。

スポーツ以外にも演劇などの公演ができず、廃業に陥らざるをえない人々がいる。芸術などの世界では表現する場がいかに重要か。これはスポーツも同じである。アスリートにとってオリンピックが目標であり選手生命をかけて臨む大会である。ましてや日本人選手が一番の目標としている東京オリンピックである。批判する人達は、自分の仕事があり、給料をもらえるかもしれない。だから簡単に発言ができるのかもしれない。しかし、アスリートにとっては、どんなものにも代えがたいものである人もある。その人の気持ちを考えずにやみくもに批判するのはあまりにも残酷である。

今こそ、どうしたらオリンピックができるのかをみなで一緒に考えるときではないか。そのうえで、どうしてもできないとなれば中止にすればよいし、ただ、現段階でやる予定である以上は一緒にオリンピックを開催できる未来を描いてほしいと思う。

今みなが行き場のない感情を抱いている。この感情を抱いているのは誰もが同じだと想像する力を持ち、周りを批判することで発散するのではなく、希望の未来を一緒に考えていきたい。私は、そんな誇りを持てる国で暮らしたいし、そんな国を作りたい。

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