見出し画像

ドラマ「アンナチュラル」からコロナ禍を検証①

2018年1月期にTBS系列で放送された金曜ドラマ「アンナチュラル」。脚本、演出、音楽、演者、すべてがきれいに絡み合った上質なドラマだった。無類のドラマ好きである私も虜にされ、人生でトップ3に入る名作となっている。

そのクオリティは数々の賞を受賞したことによっても証明された。(例えば第44回放送文化金賞)未だに続編が望まれているドラマの一つである。

不自然死究明研究所(UDIラボ)という架空の研究所を舞台にした本作。主人公である三澄ミコト(石原さとみさん)らが法医学を舞台に生と死について見つめるストーリーだ。

実は、3月ごろコロナウイルスの感染拡大が騒がれた頃「アンナチュラル」が予言した未来かと話題となっていた。というのも、第1話でMERSコロナウイルスが日本国内で発見されるということをテーマにしていたからだ。確かに、このリンクは話題にされて然るべきだが、実は、コロナウイルスに関する様々な視点を一般人である私たちも知ることとなった今だからこそこのドラマから学べることがあると思った。

今日はそれを書いてみたい。一部ドラマのネタバレがありますのでご注意を。

科学はうそをつかない

MERSコロナウイルス第1話は本作の中でも評価の高いエピソードの一つだ。二転三転するストーリーに視聴者も騙された。その二転三転の一つにMERSコロナウイルスが誰によってもたらされたのかという展開がある。ストーリーは中東出張から帰国した男性が不自然な死を遂げた。この男性がMERSコロナウイルスに感染していることが判明した。そのため、この男性がMERSを持ち込んだとして社会からバッシングを受けることになる。しかし、この男性の濃厚接触者である彼女が感染していないことが判明し、UDIラボの面々が男性は中東で感染したのではなく、日本国内で感染したことを突き止めた。真実を突き止めようとする科学者の生きざまのようなものを感じた。

日本政府のコロナウイルスへの対応として、春節の中国人観光客を入国させたことや、クルーズ船の乗客の下船方法などに批判が集まった。ワイドショーで何度も頭に血の上った出演者が訴えかけていたのを鮮明に覚えている。

朝日新聞4月28日「国内のコロナ、武漢ではなく欧州から伝播? 感染研調べ」https://www.asahi.com/articles/ASN4X5V9PN4WULBJ00X.html

の記事にあるように、実は、いま日本で感染が広がっているものは武漢からでもなく、クルーズ船からでもなく欧州からのウイルスの型であることが分かったのである。

コロナウイルスに対する対応も今という視点と、あとからの検証という視点が必要になる。騒いでいたワイドショーは果たして自省をしているのだろうか。まあ、ワイドショーはよいが、私たち国民はだれが何を言っていたか、そして後から検証した結果どうだったのかまで追っていける冷静な人間でありたい。そのことを「アンナチュラル」は教えてくれている。

このほかにも「アンナチュラル」が示唆するものは多い。また折を見て②を書くことにしたい。

※タイトルの背景画像はTBSテレビの「アンナチュラル」ホームページから引用。https://www.tbs.co.jp/unnatural2018/

2020/5/11 東京で今年初の真夏日を記録した日に //パックマン

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?