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これで終了は惜しい!〜「ピーキー・ブラインダーズ」シーズン5

英BBCが制作し、日本ではNetflixが配信しているドラマ「ピーキー・ブラインダーズ」、シーズン6を見終わった。これで、シリーズは終了らしい。

私的には、ネット配信されているドラマのベスト3に入るドラマ、「イカゲーム」などよりは数十倍面白いと思う。骨太のドラマを好む方は、観るべき作品の一つである。

シーズン1、印象的な音楽と共に登場するのは、シェルビー家の次男、トーマス・シェルビー、演じるのはキリアン・マーフィー。舞台は1919年、イギリスのバーミンガムである。

ピーキー・ブラインダーズというのは、簡単に言うとシェルビー家を核としたギャング集団である。八百長賭博を始め、裏のビジネスを仕切り、反抗する勢力には暴力で対抗する。

シェルビー家のルーツはロマ(ジプシー)であり、そのことも独特の世界観を構成する。

シェルビー家の主要メンバーは、トーマスの他、長男のアーサー。熱くなりやすく、戦闘には滅法強い。そして三男のジョン。圧倒的な存在感を示す、彼らの伯母ポリー。

彼らは、圧倒的な暴力と、トーマスの頭脳によって、裏社会で勢力を拡大していく。その行くてには、当然ライバルたちが立ちはだかる。

ちょっと「ゴッドファーザー」を想起させるが、もっと泥臭く、血と汗の匂いがプンプンする。アーサーに対応する「ゴッドファーザー」のキャラクターは長男ソニー、演じたのは先日亡くなったジェームズ・カーン。しかし、アーサーの方がはるかに強く、スマートさの微塵も感じられない。

アル・パチーノ演じるマイケルがトーマス=トミーだが、組織の大きさが違うので、トミーは全てハンズ・オンである。周囲に盛り立てながら成長していくマイケルに比べ、トミーはもっと孤独で、自らの力で世界を拡大していく。

BBCが作る映像は、第一次世界大戦後のイギリスの裏側を見事に映像化しており、骨太のドラマはイギリスに任せろというプライドすら感じさせる。こういうドラマを見ると、私はやはりイギリス物を相対的に好むのだと思う。

「ピーキー・ブラインダーズ」は、最初のシーズンから高品質なドラマであるが、シーズンを重ねるうちに、トミー初めとする主要メンバーの人間としての苦悩が掘り下げられていく。シーズン6は、その到達点を示し、最終シリーズに相応しいクオリティの作品となった。

ただ、新しい世代、キャラクターも登場する中、彼らの活躍をもう見られないのは残念だ。スピンオフ映画化の話もあるようなので、期待して待とう。

「ピーキー・ブラインダーズ」は、日本ではあまり話題になっていないかもしれないが、是非とも見て欲しい。特に「ゴッドファーザー」好きな人は必見!


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