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土用の丑の日に食べたもの〜「ふるさと納税」からの白焼き

鰻は大好きなので、ここでもたまに話題に出している。しかし、問題は値段の高騰である。「今日はちょっと贅沢して」というレベルを超えてしまった。

それでも、「土用」それも丑の日となると、鰻が定番となる。

「土用」とは、立夏・立秋・立冬・立春前の18日間なので、「土用」は年に四回あるのだが、広辞苑によると<普通は夏の土用をいう>とあり、夏の季語となっている。

なぜ、土用に鰻なのかは諸説あるようだが、新明解国語辞典の「土用」の語釈中には<暑さ中(アタ)りを避けるため、 ニンニク・あんころ餅・鰻などを食べる習わしが有る>と書かれている。

知ってましたか? あんころ餅が、ニンニクや鰻と並び称されるなんて。猛暑の中のあんころ餅、いかにもノドを通らなそう。

“土用の丑の日にはうなぎを食べよう“のルーツ、私の好きな通説は、日本最初の広告コピーとも言われる平賀源内がルーツというもの。冷房などない当時、暑い夏に炭火をいこしている鰻屋に来店する人は激減。知人の鰻屋が、集客のための相談を平賀源内にしたところ、店先に「本日丑の日」という貼り紙を出す知恵を授けたところ、成功したというものだ。

新明解が書くところの、夏バテを食べ物で退治しようという庶民の知恵はそもそもあり、そのことを思い出させるために、貼り紙をしたと解釈できる。

現代においても、スーパーなどは「土用丑の日」といったポスターや幟が立ち、買い物客に「土用か。たまには鰻でも食べようか」 と思わせる。チェーンの飲食店などでも同様のものが見られる。江戸時代にできたアイデアが、今も続いていると思うと、ちょっと良い気分になる。

さて、今年の7月30日、我が家では鰻の白焼を食した。それも、「ふるさと納税」で取り寄せていたものである。

市販の蒲焼の最大の問題はタレである。概して、私の口には甘ったるい。しかも、妻は蒲焼が嫌いである。

数年前、ふるさと納税で、鰻の白焼(冷凍)をお礼の品とする自治体に寄付した。これが美味しかったので、毎年色々試している。

鹿児島県大崎町で、泰斗商店というところの鰻を扱っていて、美味しかったのだが、白焼がなくなってしまった。(オンライン・ショッピングで購入することは可能)

鹿児島の鰻の印象が良かったので、選んだのが鹿児島県鹿屋市で扱っている大隅産うなぎ白焼。土用の丑の日に向け、こちらを調達しておいた。

前日に冷蔵庫に移し解凍。フライパンに魚焼きシートを敷き、白焼を並べ少しだけお酒を振る。火をつけて、蓋をししばし温めた。

わさび醤油を用意し、焼き上がった白焼を食べると、肉厚でふっくらとし、皮もちょうど良い香ばしささで、美味しい。

脂ののりかたも嫌な感じはなく、これなら夏バテなど飛んでいく。鰻の効用を感じさせてくれた。

ふるさと納税は、仕組みとして様々な批判があるが、各自治体の創意工夫が、消費者の行動を促しているというプラス面もあるのではないだろうか。お金は結局回ってなんぼなのだから

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