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80歳と72歳の“Glory Days”〜あっぱれ、ポール・マッカートニー

ポール・マッカートニーのコンサートを初めて観たのは、2008年ロンドンのアールズ・コート。家族4人で行った。その時、ポールは66歳。改めてセットリストを見ると、圧巻の37曲。“All My Loving”を演奏した際、舞台後方のスクリーンには、当時のビートルズとファンの画像が写し出された。私の前列、初老のご夫婦が、互いの肩を抱きながら演奏と映像を見つめていたことを思い出す。

次は2014年、国立競技場、のはずだった。外苑前の駅に降りると、妙な空気が漂っており、聞こえてきたのは、コンサート中止のアナウンスだった。原因はポールの体調不良である。結局、全ての日本公演が中止となった。

翌2015年、国立競技場はすでにクローズとなっていたが、東京ドームで再来日公演が開催され、私はリベンジ参戦した。ポールは72歳、セットリストを見ると、39曲。増えとるやないか。

その後も、ポールは2度来日、2018年・2020年には新アルバムを発表し、精力的に活動している。今年も、北米ツアーを実施、6月16日ニュージャージーのメットライフ・スタジアムが最終日となった。

この日のコンサート後半、ポールはゲストを舞台に招き入れる。ポールが“Your local boy”と言うと、多くの観客がその登場を予想し、“Bruuuuce!”と声を上げる。地元のヒーロー、ブルース・スプリングスティーンが登場、歌ったのは“Glory Days”。

これで終わるかと思ったら、ポールが“One More”と声をかけ、ビートルズの“I Wanna Be Your Man”を二人で熱唱する。ブルースが退場、客席の興奮が冷めやらない中、ポールはピアノにつき、"Let It Be"のイントロを弾き出す。これで一気に彼の世界へ引き戻す。流石である。

この日は、ポールの80歳の誕生日。アンコールでは、ジョン・ボン・ジョビが飛び入りし、6万人の観客とともに“Happy Birthday”を送る。これに続いて、ポールが歌ったのは、「自分自身と皆さんに」と始めたのが“Birthday”。憎い演出である。

セットリストを見ると、“Glory Days”と“Happy Birthday”を入れて40曲。また増えとるやないか。

スプリングスティーンは72歳だが、いよいよワールド・ツアーが始まる。79歳のミック・ジャガー、キース・リチャーズとローリング・ストーンズは欧州ツアー中。そしてポールは、英グラントンベリー・フェスティバルのヘッドライナー。

彼らの“Glory Days”はまだまだ続く



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