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総括その2〜「小林信彦プレゼンツ これがニッポンの喜劇人だ!」@シネマヴェーラ渋谷

2週間に渡る、シネマヴェーラ渋谷での日本喜劇映画の探索を経て感じたこと
(これまでの記事 5/25  5/30  6/6

これまで、知識として認識していた“喜劇人”について、映画という形ではあるものの、網羅的に観ることができた。

その中には、伴淳三郎のアジャパー、若きフランキー堺のドラミング(「名探偵アジャパー氏」にはノンクレジットで出演)、伝説ののり平・八波むと志による「源氏店」、エノケンや植木等などによるスラップスティック、小沢昭一の様々な怪演といった至芸が含まれている。


森繁久彌、渥美清ら、ドラマの中の喜劇人の存在感を再認識。沢村貞子、南田洋子(「続・拝啓天皇陛下様」では中国人の役を演じた)など、脇の達者な役者を観ているのも楽しい。

1948年「幽霊暁に死す」、「東京の暴れん坊」などを観ると、私の知らない小粋な日本映画というのが、まだまだあることを知らされる。
その他、由利徹の存在感に感心。いくつかの映画に登場し、さほど長い登場時間ではないものの、強い印象を植え付けた。

素晴らしい企画であり、これを可能にした、小林信彦の長年に渡るライフワーク「日本の喜劇人」シリーズに感謝したい。企画期間において3度ほど上映された、小林信彦のビデオメッセージで、88歳の氏のお元気な姿を見られたのも嬉しかった。

これぞ文化であり、「小林信彦とミニシアターここにあり」だ。

コロナ禍の下、多くのミニシアターも経営上の困難に直面していると思う。平日の昼間から、私も含め多くの観客が来館していたことを見るにつけ、文化は“不要不急”ではなく、人生において必要不可欠のものだと強く思う

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